てんかん治療のなかで悩むことの代表は,妊娠・出産を計画している女性患者に対する抗てんかん薬(AED)の選択である.本邦の「てんかん治療ガイドライン」ではどのように薬剤を選択し,その内服をどのように決定すべきか具体的には分からない内容である.ただしバルプロ酸は避けるべき,多剤併用は避けるべき,用量を最低限にし,急峻な血中濃度上昇をさけるべき,といった共通認識がある.バルプロ酸であっても,単剤で,徐放錠とし,低い血中濃度に保てれば,あればあまり問題はないという専門医の意見を聞いたこともある. 一方,治療の判断を難しくしている要因に新しい薬剤が(中途半端に)使用できる状況になったことが挙げられる.催奇形性が少ないといわれるラモトリギンが本邦でも使用可能となり,積極的に妊娠・出産を計画している女性に使用しようと考えた.しかし,本邦での適応は「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の