学校法人「森友学園」への国有地売却に関する財務省の決裁文書改竄(かいざん)をめぐり、安倍晋三政権の支持率が低下している。国会前には退陣を求める市民団体が集まり、野党と一緒に気勢を上げる。だが、北朝鮮による拉致被害者の帰国を待ちわびる家族や、看板の経済政策「アベノミクス」を追い風に企業のかじを取る経営者には、政権が倒れることへの懸念が大きい。(九州総局) 「今まで9人の首相と会ったが、拉致問題に最も熱心に取り組んでくれているのは安倍首相だ。米トランプ大統領が昨年9月の国連総会で日本人拉致事件を糾弾する異例の演説を行ったのも、首相の強いアピールがあったからこそだ。トランプ氏の訪日時には、家族会との面会も実現した。首相が千載一遇の好機を作ってくれた」 昭和53年8月、鹿児島県日置市から北朝鮮に連れ去られた市川修一さん(63)=拉致当時(23)=の兄、健一さん(72)=鹿屋市輝北町=はこう語る。そ