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  • 中国の歴史:言われているほどでもなかった黄金時代(1/3) | JBpress(Japan Business Press)

    中国共産党が考えている以上に長い間、欧州より貧しかった。これは習主席の「中国の夢」にどんな影響を及ぼすのか。 中国の習近平国家主席は、自分自身の「中国の夢」について語るのが好きだ。何でも、「中華民族の偉大な復興」を夢見ているという。 習氏にとっては、これは中国共産党の指揮下で、「屈辱の100年」――第1次アヘン戦争(1839~42)後の100年間に中国が見舞われた経済的惨事と外国による領土略奪のこと――以前と同じように世界で最も裕福で最も強い国に返り咲くことを意味する。 その延長線上で考えるなら、共産党の正統性はこの復興次第ということになる。しかし、1839年以前の中国が世界で最も裕福な国でなかったらどうなるだろうか。中国が欧州より貧しかった時期が175年間ではなく675年間だったらどうか。それでも習主席の「中国の夢」は大きな魅力を持つだろうか。 オックスフォード大学のスティーブン・ブ

  • 5つの同時危機でカオスの域に入る欧州 難民危機だけでも政治的、財政的に手足を縛られる盟主ドイツ | JBpress(日本ビジネスプレス)

    大方のドイツ国民はメルケル首相の決断を歓迎したが、難民の大量流入の現実に困惑している(写真はベルリンで難民申請の順番を待つ亡命希望者)〔AFPBB News〕 欧州は同時進行する5つの危機と奮闘している。いずれも、異なる発展段階にある不測のショックだ。シリアからの難民、ユーロ圏周縁国の債務、世界的な景気減速、ロシアのクリミア併合とその余波、そしてフォルクスワーゲン(VW)の犯罪と不正行為である。 カオス理論の人気の比喩は、世界の別の地域で竜巻を引き起こす蝶の羽ばたきだ。 欧州の罪のない危機の引き金は、シリアからの難民にドイツを開放することにしたアンゲラ・メルケル首相の道義的な決断だった。 大半のドイツ国民は熱狂的にこの決断を歓迎したが、首相は来るべき事態に向けて、政治的、物理的に自国と他の欧州諸国を備えなかった。 難民受け入れを決めたドイツの英断の代償 ベルリンとハンブルクでは、住宅事情が

    5つの同時危機でカオスの域に入る欧州 難民危機だけでも政治的、財政的に手足を縛られる盟主ドイツ | JBpress(日本ビジネスプレス)
  • 仲間を作るはずが四面楚歌にも、中国の一帯一路政策 シルクロード構想に参加は表明しつつも警戒心を解かない周辺国 | JBpress (ジェイビープレス)

    新疆ウイグル自治区のウルムチ南駅のプラットホームに止まっている、中国の高速鉄道、蘭新線第二複線の甘粛省蘭州行き列車(2014年12月26日)〔AFPBB News〕 いま中国の習近平政権が世界に対して発展戦略として提唱している「一帯一路」とは、どのような政策であり、その狙いは何であろうか。また、それに対して関係国、特に利害関係の深い周辺国はどのように対応しようとしているのであろうか。 1 発展戦略としての一帯一路政策の形成とその狙い 馮并著『"一帯一路": グローバルな発展のための中国の論理』(中国出版集団、2015年)によれば、初めて「一帯一路」の概念が提唱されたのは、2013年9月の習近平主席のカザフスタン訪問時である。 習近平主席は、欧州とアジアを東西に連接し、シルクロードを創ることを提唱した。その協力内容として挙げられたのは、物流、貿易と投資、金融、エネルギー、糧安全保障などの分

    仲間を作るはずが四面楚歌にも、中国の一帯一路政策 シルクロード構想に参加は表明しつつも警戒心を解かない周辺国 | JBpress (ジェイビープレス)
  • 中国経済の復活が意外と早いかもしれない理由 日本のバブル崩壊に似ている点、違う点 | JBpress (ジェイビープレス)

    人民元の切り下げショックに端を発した中国経済に対する懸念は株式市場を直撃し、パニック的な世界同時株安を引き起こした。中国経済が今後、どのように推移するのかはまだ何とも言えないが、少なくとも短期間でV字回復するというシナリオは描きにくくなっている。それは、中国が日のバブル崩壊後と同じように、深刻なバランスシート不況に突入した可能性が高いからである。 もっとも中国経済はまだ発展途上であり、日のバブル期ほどの成熟度には達していないとの見方もある。日歴史に当てはめれば、旧山一証券が破たんの瀬戸際まで追い込まれた1965年のいわゆる「(昭和)40年不況」に近い状況かもしれない。もしそうだとするならば、思いのほか早いタイミングで成長軌道に復帰させることも可能となるわけだが、果たしてどちらだろうか。 中国経済は非常にちぐはぐな状況 2000年代における中国の実質GDP成長率は10%を超えていたが

    中国経済の復活が意外と早いかもしれない理由 日本のバブル崩壊に似ている点、違う点 | JBpress (ジェイビープレス)
  • ギリシャがユーロから離脱しかけた瞬間 マラソン会議の舞台裏、「この部屋から出すわけにはいかない」 | JBpress(日本ビジネスプレス)

    ある出席者の言葉を借りると、記録的なマラソン会議となったユーロ圏首脳会議では、ギリシャのチプラス首相は「磔(はりつけ)」のような責め苦に遭ったという(写真© European Union) ギリシャのアレクシス・チプラス首相とドイツのアンゲラ・メルケル首相は過酷な話し合いを14時間続けた末に、行き詰まったと考えた。 もう妥協の余地はなく、交渉を続ける理由も見当たらなかった。グレグジット(ギリシャのユーロ圏離脱)だけが唯一の現実的な選択肢だった。 2人が部屋のドアに向かって歩き始めた時、動いたのはドナルド・トゥスク欧州理事会議長だった。ユーロ圏の歴史に残る分裂の引き金が、疲労と苛立ちによって引かれるのを阻止しようとしたのだ。 「悪いが、この部屋から出すわけにはいかないんだ」。ポーランドの前首相はこう言った。 最後までもめたギリシャ民営化基金 もめていたのは、差し押さえたギリシャの国有資産を裏

    ギリシャがユーロから離脱しかけた瞬間 マラソン会議の舞台裏、「この部屋から出すわけにはいかない」 | JBpress(日本ビジネスプレス)
  • やっかいな超大国ドイツとどう付き合うべきか もはや米国に次ぐ覇権国家に | JBpress (ジェイビープレス)

    ドイツ・ベルリンの首相府で、若い研究者を対象とした科学分野のコンペ受賞者らと面会したアンゲラ・メルケル首相(2015年9月30日撮影、資料写真)。(c)AFP/DPA/KAY NIETFELD 〔AFPBB News〕 ドイツの国際的な立場が大きく変貌している。ギリシャ債務問題は、ドイツが欧州の盟主であることをあらためて印象付ける結果となった。メルケル首相の来日(2015年3月)に際しては、日側は歴史認識問題で完全に振り回され、ドイツ政治力の大きさを見せつけられた。ドイツは国際社会において、米国に次ぐ政治的リーダーとなりつつある。 テクノロジーの面でもドイツは覇者になろうとしている。次世代の産業に極めて大きな影響を与えると言われる「IoT」(Internet of Things:モノのインターネット)の分野においてドイツ企業は先行している。 もはやドイツは単なる優等生国家ではなく、米国

    やっかいな超大国ドイツとどう付き合うべきか もはや米国に次ぐ覇権国家に | JBpress (ジェイビープレス)
  • 米国の同盟国を引き寄せる中国のマネー磁石 AIIBに英国などが参加表明、外交の失敗で孤立する米国:JBpress(日本ビジネスプレス)

    アジアインフラ投資銀行(AIIB)を巡る物語は、米国にとって外交的な大失敗と化しつつある。 中国との勢力争いをお膳立てしておきながら、その争いに負けることで、米国政府は21世紀の権力と影響力の漂流に関して意図せぬシグナルを送ってしまった。 2013年に中国AIIBを創設する意図を明らかにするや否や、米国は同盟国に対し、新銀行をボイコットするよう求める説得工作に乗り出した。 米国は、中国政府の支援を受けた新銀行は、クリーンな政府や環境基準といった問題について、世界銀行ほど慎重ではない融資基準に従う恐れがあると主張した。 アジアにおける米中の勢力争い だが、これが勢力争いであることもかなり明白だった。世界銀行はワシントンに部を置き、総裁は常に米国人だった。潜在的な競合機関のAIIBは上海に部を置く予定で、中国が最大の株主だ。 当初、日韓国、オーストラリアはAIIBへの参画を見送ること

    米国の同盟国を引き寄せる中国のマネー磁石 AIIBに英国などが参加表明、外交の失敗で孤立する米国:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • 急進政党はユーロ圏の救世主になるか?:JBpress(日本ビジネスプレス)

    今年はユーロ圏が正念場を迎える年になる。予定されている3つの選挙――今月のギリシャの選挙と年後半のポルトガルとスペインの選挙――は、危機解決に向けた欧州連合(EU)のアプローチが政治的にうまくいくか否かを教えてくれるだろう。 少なくとも1度、政治的混乱が生じる確率は極めて高い。ギリシャ、スペイン両国では、極左政党が世論調査でリードしている。 ギリシャでは、政治的な選択は基的に、財政緊縮の現状維持か、交渉による債務のデフォルトかという二者択一だ。後者の道を進むべきだとする経済的な論拠には説得力がある。ギリシャの債務は国内総生産(GDP)の175%に上っている。 同国は今すぐに、こうした債務をすべて返済する必要はない。EUからの「公的」債務については、ギリシャは2023年まで利息を払わない。だが、2023年というのはほんの8年先の話で、長期の投資家であれば誰もが視野に入れている近未来だ。 債

    急進政党はユーロ圏の救世主になるか?:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • 低迷続く西側諸国:日本からの教訓:JBpress(日本ビジネスプレス)

    語で「Schadenfreude*1」は何て言うのだろうか? 1990年代後半から2000年代前半までの大半の期間を通して、西側の経済学者や政治家は嬉々として、日が資産バブルの後に犯したミスについて日政府に説教した。 だが、金融危機の引き金を引いた投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻から6年経った今、多くの西側諸国はまだ、それなりの成長を生み出すのに苦労している。 これらの国の中央銀行は、金利をゼロ近くに維持することを余儀なくされている。欧州諸国の国債利回りは、日と同様、歴史的な低水準に落ち込んだ。経済学者やエコノミストの中には、「長期停滞(secular stagnation)」の新時代について話している人もいる。 危機後に西側諸国が犯した過ち 野村総合研究所のリチャード・クー氏の新著*2は、西側諸国もひどい過ちを犯したと主張している。 「我々は経済危機だけでなく、経済学の危機も

    低迷続く西側諸国:日本からの教訓:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • 社説:ウクライナの経済崩壊を阻止せよ:JBpress(日本ビジネスプレス)

    ウクライナは西側政府からの対応を緊急に必要とする極めて困難な金融危機の真っ只中にある。ロシアによるクリミア併合とウクライナ東部への軍事介入を受け、ウクライナに対する安全保障の脅威が西側諸国の最大の関心事かもしれない。 だが、ウラジーミル・プーチン大統領の軍事的戦術は一義的に、ウクライナ政府を不安定にさせる経済的メルトダウンを煽ることを意図しているように見える。西側政府と国際通貨基金(IMF)は今、ウクライナを金融崩壊の瀬戸際から引き戻すために早急に行動する必要がある。 ウクライナ経済は多くの面で追い詰められている。ウクライナ軍とロシア軍の戦闘は、東部地域の炭鉱と製鉄所の生産停止をもたらした。ロシア政府はウクライナに制裁を科し、天然ガスの供給を停止すると脅している。その結果、今年の国内総生産(GDP)は少なくとも7%縮小する見通しだ。 10月末には、ウクライナの外貨準備高が126億ドルに落ち

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  • 中国の物価が下がる時:デフレスパイラルの恐怖:JBpress(日本ビジネスプレス)

    中国・浙江省の義烏(イーウー)市にある「中国小商品城」は、「ウォルマートを大きくしたやつ」と呼ばれることも多い、60万平方メートルの広さを誇る世界最大級の卸売市場だ。 ここには雨具からボタン、世界各地の都市を称える冷蔵庫マグネットに至るさまざまな商品が大量に並んでおり、中東やロシアアフリカなどから仲買人が品定めにやって来る。商品の多くは、この都市の郊外に点在する小さな工場で作られている。 しかし、年末が近づく中、米国や英国、オーストラリア、日などに輸出するプラスチック製クリスマスツリーを製造しているチャイナ・チョンシェン・クラフツ社のクオ・ウェイ工場長は対応に苦慮している。同社は一部の製品を、製造原価を下回る価格で販売しているそうだ。 「売上高は持ちこたえているけれど、価格については、お客様から値引きを求められている。皆、景気が悪いんだと言っていますね」とクオ氏は言う。「弊社の商品の中

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  • ユーロ圏:世界最大の経済問題:JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2014年10月25日号) ユーロ圏のデフレは、すぐそこまで迫ってきており、極めて危険だ。 世界経済は良い状態ではない。米国と英国から届くニュースはまずまず前向きだが、日経済は苦戦しており、中国の成長率はいまや2009年以来の低さとなっている。 予測不能の危険要因があふれている。とりわけ大きなものが、西アフリカで数千人もの命を奪い、それにとどまらず世界中の人々を不安に陥れているエボラ出血熱の流行だ。だが、図抜けて大きな経済的脅威は、欧州大陸から生じている。 ドイツの成長が停滞した今、ユーロ圏は過去6年間で3度目の景気後退に入る瀬戸際にある。欧州中央銀行(ECB)のマリオ・ドラギ総裁が、単一通貨を守るために「どんなことでもする」と約束したことで猶予期間が生まれたが、各国首脳はその2年間を無駄にした。フランスとイタリアが構造改革を回避し続ける一方で、ドイツは過度な緊縮策を

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  • 香港:民主主義に甘やかされた駄々っ子:JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2014年10月11日号) 香港の学生たちは、長く気高い中国の伝統に名を連ねている。 民主化を求める香港の抗議行動を主導する若者は、自分が誰なのか、概ねはっきり分かっている。第1に香港人であり、2番目に中国人だ。 1997年に香港が中国の主権下に復帰してから大人になった若者たちにとって、これは奇妙なことに思える。中国とのつながりがこれまで以上に緊密になることが、実は自己の特異性に対する香港市民の意識を研ぎ澄ましているのだ。 だが、香港の歴史家フランク・ウェルチ氏の言葉を借りれば、香港は1世紀半にわたって英国に統治された領土とはいえ、常に「中国の植民地」だった。そして、学生たちが反中デモで担った役割と、学生に対する一般市民と政府の態度ほど、香港の中国らしさを力強く示すものはほとんどない。 学生たちが主導するデモの歴史 香港庁舎の外で10車線の高速道路の至るところで小さな塊

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  • 蔓延するエボラ出血熱、死者500万人との予測も 準備のない日本へ上陸したときには、一気に感染が拡大する危険性 | JBpress (ジェイビープレス)

    世界保健機関(WHO)の予測が140万人という数字なので、改めてエボラの恐ろしさが強調された感がある。ただ同氏の予測について、医学者からは「行きすぎた数字。正確ではない」との声もある。 それでも米国立衛生研究所(NIH)のアンソニー・ファウチ博士は、「ワクチンが国中に行き渡らない限り、エボラの拡大を止めることはできないかもしれない」と医学雑誌とのインタビューで答えている。 西アフリカの3国(シエラレオネ、リベリア、ギニア)で今後も感染者・死者が増加することは残念ながら否定できず、500万人という数字は最悪のシナリオとしてあり得るのかもしれない。 WHOが発表した14日現在の感染者は8914人、死者は4447人で、過去数カ月の数字の推移を見ると、ほぼ4週間で感染者と死亡者が2倍ずつ増えてきている(エイズよりはるかに怖いエボラ出血熱、蔓延の兆し)。 日人の感染者は報告されていないが、米国テキ

    蔓延するエボラ出血熱、死者500万人との予測も 準備のない日本へ上陸したときには、一気に感染が拡大する危険性 | JBpress (ジェイビープレス)
  • 疲弊するベネズエラ経済:革命の代償は緩やかな死?:JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2014年9月20日号) 恐らくは世界で最も運営のひどい経済国――。 原油価格の高騰が長引いている時期に請求書の支払いができない世界有数の産油国は、稀に見るひどい国だ。並外れた経済政策の失敗のおかげで、まさしくそれが世界第10位の石油輸出国ベネズエラの今の姿だ。 第2四半期末時点で、ベネズエラの貿易関連の請求書は現在の外貨準備高である210億ドルを超えた(図参照)。同国の外貨準備の大半は、金で保有されているか、現金に変えるのが難しい資産だ。 金融債務のうち70億ドル余りが10月に返済期限を迎える。 政府は、外国の債券保有者に支払う手段と意志はあると主張している。政府が期限を守らないと見る観測筋はほとんどいない。それでも、「デフォルト(債務不履行)」という恐ろしい言葉が無造作に口にされている。 格付け機関のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は9月16日、ベネズエラを

    疲弊するベネズエラ経済:革命の代償は緩やかな死?:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • 利回りに飢えた投資家、社債の信用リスクを看過:JBpress(日本ビジネスプレス)

    (2014年9月19日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 今から3年前、米国が最高級の信用格付けであるトリプルA格付けを失い、市場は混乱に陥った。2014年には、大半の米国企業が信用格付けを落としているが、投資家は顔色一つ変えていない。 米国企業の社債発行は次第に、低くなった信用格付けを反映するようになっている。企業が歴史的な低金利と利回りに飢えた債券投資家をうまく利用し、大きく開けた債券市場で記録的な額の資金を借りているからだ。 多くの借り入れは、株主に現金を還元したり買収の原資にしたりするために行われたもので、その結果、多くの企業でレバレッジの水準が高まっている。一方で、債券投資家はより高い利回りを求め、一見して弱い企業のバランスシートを無視しているようだ。 金利が上昇し、デフォルトを引き起こしたら・・・ 今後、金利が上昇し、デフォルト(債務不履行)を引き起こしたら、これがあだとなって

    利回りに飢えた投資家、社債の信用リスクを看過:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • 英国を分割するには時期が悪すぎる:JBpress(日本ビジネスプレス)

    英スコットランド・アバディーンの街頭で、英国からの独立を問う住民投票で賛成票を投じるよう呼び掛ける旗を振る女の子〔AFPBB News〕 筆者は最近まで、スコットランドが独立に賛成票を投じても、あまり気にしないと思っていた。ところが今、独立の可能性が現実味を帯びるに従い、自分がひどく動揺していることに驚かされている。 今では、世論調査を執拗に注視している。独立に反対する「ノー」陣営の無能さと、「イエス」陣営の視野の狭さに憤りを覚えている。そして、投票日が近づくにつれて、嫌な予感が強くなっていく。 なぜそんな気分になるのか? その答えは、独立の是非を問うスコットランドの住民投票によって、自分の抱くアイデンティティーと個人的な安心感が英国人としての国籍といかに強く結びついているか気づかされたからだ。 一方、国際情勢をカバーする筆者の仕事は、世界が過去数十年間なかったほど危険な状態にあることを教

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  • 世界で続く賃金大停滞:JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2014年9月6日号) 先進国全体で賃金が停滞している。 各国の中央銀行はかつて、賃金の高騰を激しく批判していた。1970年代のような、物価と賃金がともにスパイラル的に上昇する破滅的な事態に逆戻りしないように、という先入観が常に働いていたのだ。ところが、金融危機以降、中央銀行は全く逆の悪循環を懸念してきた。賃金の停滞と、拡大するデフレのリスクだ。 先進国ではここ数年、賃金の下落傾向が見られる。経済協力開発機構(OECD)が9月3日に発表した今年度の「雇用アウトルック」によれば、OECD加盟国では2010年から2013年にかけて、実質賃金(インフレ調整後)が横ばいだったという。 国・地域によって異なる賃金停滞の理由 その間、米国はほとんど上昇していないし、ユーロ圏と日では減少している。ポルトガルやスペインなど、問題を抱えるユーロ圏の周縁国の落ち込みが特に激しいが、英国も

    世界で続く賃金大停滞:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • アベノミクス:的を外す矢:JBpress(日本ビジネスプレス)

    ゴルフがスキャンダルの種になるのは、有力国の首脳にとって決して良い兆しではない。 米国のバラク・オバマ大統領は、ミズーリ州のファーガソンという町が人種差別への抗議行動で揺れていたり、シリアでイスラム過激派の武装勢力が米国人ジャーナリストの首を切り落としたりしていた時期にゴルフに興じていたとして批判を浴びているが、日の安倍晋三首相も、危機の最中にゴルフをしていたことで非難されている。 安倍氏は、広島県で豪雨のために土砂崩れが発生して50人以上の犠牲者が出たとの報告を受けた後にゴルフに出掛けたと言われている。ただ、オバマ氏への攻撃と同様に、この安倍氏への批判――野党は国会での閉会中審査を要求している――は、もっと深刻な脆弱性の兆候であるように感じられる。 かつて絶大な支持率を誇った「アベノミクス」の提唱者は今年、屈辱的な夏を経験しているのだ。 そうなった理由はいくつかある。まず安倍氏は、日

    アベノミクス:的を外す矢:JBpress(日本ビジネスプレス)
  • 中国と世界:中国が求めているもの:JBpress(日本ビジネスプレス)

    (英エコノミスト誌 2014年8月23日号) 中国は、屈辱の2世紀を経て、世界での地位の回復を渇望している。米国はどう反応すべきか。 不安を抱かせるような想定が、北京とワシントンの一部で根を下ろしつつある。 向こう数年のうちに、中国の経済規模は米国を上回るだろう(購買力平価ベースでは、既に上回ろうとしている)。軍事力も、まだ米国に比べれば劣るものの、急速に拡大している。そして東アジアで戦争が起きれば、どこであれ、中国に地の利がある。 そうしたことから、一部の人はこう結論づける――中国と米国が張り合うことは避けられず、やがては敵対関係に至る。場合によっては紛争が起こるかもしれない、と。 今後数十年の外交上の課題は、そのような破局を絶対に迎えないようにすることにある。問題は、「そのためにはどうすればいいか」だ。 同格同士の優位性 欧米のタカ派の中には、あらゆる面で中国を脅威と見る人がいる。中国

    中国と世界:中国が求めているもの:JBpress(日本ビジネスプレス)