国立競技場を背に写真撮影する来場者。見上げると目に入る軒びさしには、全国から集めた木材が使われている=東京・国立競技場で2019年12月21日午後2時45分、梅村直承撮影 東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる国立競技場は、国産木材を使った軒びさしで囲われ、木のぬくもりにあふれている。46都道府県のスギと沖縄県のリュウキュウマツを使い、産地の方角に配置する粋な設計を施したものの、生産者の「顔」が見えてこない。守秘義務を理由にPRできないからだ。一方、選手村の交流施設には全国63自治体から提供されたスギやヒノキが使われ、生産者は記念式典で紹介された。「国立競技場はNOで、選手村はOK」の理由は何か。【浅妻博之】 東京・晴海の臨海部にある五輪・パラリンピックの選手村交流施設「ビレッジプラザ」。入村式や大会中に選手らが集う場で、全国63自治体から集めた国産木材を使っている。環境に配慮し