静岡県藤枝市のふるさと納税の返礼品リストに、藤枝から遠く離れた地域の特産品があふれかえっている。「北海道知床ジンギスカン」「鹿児島さつま揚げと黒豚」「オホーツク海の甘口イクラ」「横浜中華街からの直行便 飲茶(やむちゃ)」「日本海産のどぐろ一夜干し」「三重県産伊勢エビ」……。いったいどうしてこうなった? 藤枝市は当初、ふるさと納税は「行政の応益負担の考えになじまない」と消極的だった。だが、寄付が他都市に流れ、税収減につながる恐れがあるとして2年前、積極活用に転じた。返礼品の数は2015年度が100、16年度が800、17年度が1200と急増。寄付額も15年度の1億9千万円から、16年度は26億5千万円に跳ね上がり、全国14位となった。 返礼品の要件は「市内に本社や事業所がある会社が提供するもの」。市内に事業所がある観光業者が、取引先の自治体から「地元がふるさと納税に消極的なので、藤枝で出して