「教科書検定意見撤回を求める県民大会」の参加者数が議論になっている。朝日新聞では「11万人」*1。産経新聞は「4万人強」*2。よく聞く話だよな。この手の話を書いた本がたしか本棚にあったはず。 ■統計はこうしてウソをつく ジョエル・ベスト(著), 林 大 (訳)。副題は「だまされないための統計学入門」。 本書は社会統計に関係した陥りやすい過ちについて論じている。第5章の「スタット・ウォーズ―社会統計をめぐる紛争」において、利害の対立が統計をめぐる争いを招くことを論じる。「論争の当事者は往々にして、自分は一つの統計だけでなく重要な利益や原則を擁護しているのだと考える(P170)」。朝日新聞と産経新聞も、単に参加者の数ではなく、その背後にある思想をめぐって争っているのであろう。沖縄の県民大会において、どちらの数字が正しいそうなのかの判断材料を私はもっていないので、本書より、似たような事例を紹介す