本日、経団連の産業政策部会で、ご講演頂いた妹尾堅一郎先生の元々の著作は「技術で勝てる日本が事業で負ける」である。先生は、講演の冒頭で、「もう何度も同じ話をしても、日本の企業は何の反省もなく負け続けるので、次に本を書くときには、『負け続ける』という題にするのだ」と仰っていた。つまり、日本の経営者は『1980年代の日本の成功モデル』から未だに脱却できていないと言うのである。 1980年代に先進国である欧米各国を相手にして日本が産業競争に勝ってきたモデルは基本的に『同じものを安く大量生産するという新興国モデル』だから、日本が先進国の仲間入りをしたら、当然、日本は新興国に、その王座を奪われるというのである。真に、もっともな話で、現実に、毎日、日本の経済新聞を賑わしているのは、まさに、その話題である。 妹尾先生は、少なくとも産業政策において、『経済成長』という言葉は、もはや日本の産業界には似つかわし