犬を飼った。妻の長年の夢だったからだ。それにここ5年くらいバタバタしていた我々夫婦の生活も落ち着いてきたタイミングでもあった。 犬はとにかくかわいい。今では妻よりも私の方が多く面倒を見ている。 ずっと犬のことを見ていても、ずっとかわいいと思える。甘えてくるところもかわいいし、家の中で日向ぼっこする姿もかわいい、うんちを踏ん張る姿もかわいい、足の指の間の獣臭もかわいい。私の顔の油分が多いからだろうか、夜になると必死になって私の顔を舐めようとしてくるので、毎晩お風呂に入る前に好きなだけ舐めさせてあげている。 そんなかわいい犬がいる生活に慣れてくれると「私は犬を最大限幸せにできているだろうか」という考えが付き纏うようになった。そしての当然「いや、できていない」という答えがその後に続く。私が仕事をしている間、犬は退屈そうに寝ている。散歩していると駆けずり回りたい気持ちを抑えきれずにリードを引っ張り