地域通貨は、特定の目的や地域のコミュニティ内などで、法定貨幣と同等あるいはまったく異なる価値があるものとして発行・流通される貨幣で、1980年代初頭にカナダで始まった。2000年代に入ると日本でも、地域コミュニティ再構築の特効薬として期待され、たくさんの地域が試験導入し、一時は3,000を超える地域通貨が流通していたといわれている。しかし、地域に浸透することなく、ほとんどが終息する中、12年目を迎え発展し続ける地域通貨が存在する。それが「鉄腕アトム」をモチーフとした「アトム通貨」だ。 感謝の気持ちを伝えるための通貨として発祥 アトム通貨は本拠の高田馬場・早稲田地域だけではなく、全国にその活用の場が広がっている。全国展開する地域通貨などあまり例がない。なぜ、これほど浸透しているのか……。その理由を、アトム通貨の運営に携わる手塚プロダクションの日高海さんにうかがった。 ――まずアトム通貨の概要