1月11日に行われた米トランプ次期大統領の会見において、トランプ氏はヘルスケア政策とともに、製薬企業と薬価についても言及しています。米国での薬価高騰に関する対策は、実はトランプ陣営とクリントン陣営によるマニフェストの数少ない共通点でもありました。現在の米国では、政府が製薬企業と直接価格交渉を行うことは認められておらず、トランプ氏は「処方薬の輸入を解禁すべき」という主張を行いました。薬価の高騰をめぐる問題は、必ずしもアメリカだけで起こっているわけではありません。今回の記事では、とりわけ発展途上国との関連から、製薬企業と薬価についてお伝えしたいと思います。 国際的な医薬品の高騰と入手困難をめぐる問題は、WTO閣僚会議のなかで知的財産権の保護に関する多国間協定「TRIPS協定」(Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property