「知事が交代するからといって、すぐに着工できるわけではない。静岡の問題で見えにくくなっていたが、これから根本的な問題が顕在化してくるだろう」。JR東海のある関係者はそう語る。 リニア中央新幹線の着工に反対してきた、静岡県知事の川勝平太氏が5月9日に辞職した。川勝氏は自然環境などへの影響を理由に静岡工区(全長8.9キロ)のトンネル着工に真っ向から反対していた。これを受けてリニア工事は大幅に遅れ、JR東海は2027年としていた品川―名古屋間の開業を断念した。 川勝氏に代わる新しい知事を選ぶ選挙が5月26日に投開票される。この結果次第で、膠着状態を脱する可能性が出てきた。 JR東海の広報は、「静岡工区の1日でも早い着手に向けて、地域の皆様のご理解とご協力が得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしながら真摯に取り組んでまいります」とコメント。中央新幹線の早期開業に向けて全力で取り組む姿勢