近年日本ではうつ病、統合失調症、認知症等の精神疾患の患者数が増加しており、2011年には4大疾患(がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病)の患者よりも多いというデータも出ている。そんな心を病んでしまった人々が集まり生活を送る場所「精神病棟」。この言葉に興味を惹かれる方も多いのではないだろうか。 つい先日『こころを病んで精神科病院に入院していました。』(安藤 たかゆき/KADOKAWA)というコミックエッセイが発売された。 統合失調症と診断され精神科病院に入院した著者自身の実体験が元となっており、気になりつつも普段なかなか見る事が出来ない精神病棟の内側が描かれている。 元々この作品はイラスト投稿サイトのニコニコ静画で『精神病院』というタイトルで公開され反響を呼び、書籍化にあたり完全リメイクされ、ショッキングであった描写もソフトに描き直されている。その中でも印象に残るエピソードを少しだけ紹介しよう