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ブックマーク / ameblo.jp/kyupin (381)

  • 『軽躁状態を躁状態の1つと見なさない考え方』

    2016-04-18に「抗精神病薬変更による男性の体重減少について 」という記事をアップしている。今回は、その記事の補足的なものである。この記事の中で、以下の内容を記載している。 なぜ、このような経過になるかというと、カタトニアにベンゾジアゼピンが非常に有効なことと関係が深い。彼は入院後、亜昏迷を脱すると持続的に軽い興奮状態を呈していた。 そこでクロフェクトンを諦め、より肥満に影響がない非定型抗精神病薬で治療することにした。このようなチャンスがないと、旧来の少量の抗精神病薬で安定している患者さんの処方変更機会などない。 病型的にエビリファイは後回しにし、まずロナセンを選んだ。 この流れで、なぜリーマスやデパケンRなどの気分安定化薬を処方しないのか不思議に思う人もいるかもしれない。これは軽躁状態の質が、真の双極性障害に由来しないと思われることが大きい。過去ログではアキスカルの双極性障害の分

    『軽躁状態を躁状態の1つと見なさない考え方』
    diet55
    diet55 2016/04/22
    軽躁状態を躁状態の1つと見なさない考え方|kyupinの… 「その理由は、これらの薬を併用して安定した場合、中止するチャンスが非常に少ないことと関係が深い。それとこのような人は自分の場合、真の双極性障害とは見
  • 『シクレスト(アセナピン)2016年6月発売の見込み』

    新しい非定型抗精神病薬、アセナピンが2016年6月にMeiji Seikaファルマから発売される見込みである。 上記のパンフレットに記載されているように、商品名はSycrest(シクレスト)である。これはイギリス、EUと同じだが、オーストラリア、アメリカロシアではSaphrisという商品名で販売されているようだ。 上のパンフレットは発売準備中とはいえ、実にシンプルだと思う。極めて情報が少なく、裏は白紙であった。 アセナピンは、MARTA系の非定型抗精神病薬である。いろいろなレセプターに親和性が高いタイプで、同じ系統にはクロザリル、ジプレキサ、セロクエルなどがある。 アセナピンは従来の向精神薬にはない舌下錠であり、舌下に置くと速やかに溶解し、35%が生体利用されるという。一方、そのまま服用した場合、2%しか利用されない。 当初、個人的に、統合失調症の人に舌下錠なんて難しいのでは?と思ってい

    『シクレスト(アセナピン)2016年6月発売の見込み』
    diet55
    diet55 2016/04/02
    シクレスト(アセナピン)2016年6月発売の見込み|kyupinの日記 (精神科医のブログ 「日本では、アセナピンは統合失調症のみの適応に限られるが、他国では双極性障害(Ⅰ型)の躁病ないし混合エピソードにも適応を認め
  • 『2016年4月1日から始まる向精神薬多剤投与制限の考え方』

    いよいよ明日から、抗精神病薬および抗うつ剤の上限が2剤までに制限される。先日、この話を紹介した際に、もう少し早く知りたかったという意見もあったが、あの資料も2016年2月に作られており、現場からすると急遽決定されたものである。 個人的に、直前になり猶予期間が設けられるなどの変更があるかもしれないと思ったが、結局、ほぼそのまま実施されるようである。 2016年3月31日まで 抗不安薬 2剤 睡眠薬 2剤 抗うつ剤 3剤 抗精神病薬 3剤 が上限であったものが、 2016年4月1日から 抗不安薬 2剤 睡眠薬 2剤 抗うつ剤 2剤 抗精神病薬 2剤 となる。これは、とんでもない非常識な処方が今も存在しているので、その制限の意味も大いにある。 細かい例外規定(例えば多剤のまま転院してきたとか、薬剤変更中など)はそのままだが、睡眠薬や抗不安薬は、たとえ頓服だとしても3剤処方はできないことになってい

    『2016年4月1日から始まる向精神薬多剤投与制限の考え方』
    diet55
    diet55 2016/03/31
    2016年4月1日から始まる向精神薬多剤投与制限の考え方|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ) 「いよいよ明日から、抗精神病薬および抗うつ剤の上限が2剤までに制限される。」
  • 『リフレックス30㎎錠のデザイン』

    先日、紹介したとおり、リフレックスの30㎎錠が新しい剤型として5月に発売される。 30㎎錠は上の画像にあるように、同じ楕円形でややサイズが大きくなっている。 15㎎錠 長径10、短径6mm、厚さ3.5㎎、重量154㎎ 30㎎錠 長径13、短径7mm、厚さ4.6㎎、重量306㎎ また、色が少し異なり、15㎎錠は黄色だが、30㎎錠は赤みがかかっており、黄赤色となっている。 近年の向精神薬は犯罪などに使われにくいように、色が付けられている薬が増えている。白色の薬は減少している印象である。 参考 ロヒプノールの色が白から青に変わる話 リフレックス30㎎錠発売準備中 青色の粉薬 医師は薬の色を知らない

    『リフレックス30㎎錠のデザイン』
    diet55
    diet55 2016/03/30
    リフレックス30㎎錠のデザイン|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ) 「また、色が少し異なり、15㎎錠は黄色だが、30㎎錠は赤みがかかっており、黄赤色となっている。」
  • 『現在の境界型人格障害と広汎性発達障害』

    広汎性発達障害の二次障害のために、あたかも境界型人格障害のような病状を呈する人がいる。 このような人は、広汎性発達障害の要素はあまり際立っていないことが多い。 今から20年くらい前であれば「境界型人格障害」と診断された人が、今なら「広汎性発達障害」と診断されることは、十分にありうることである。 逆に、広汎性発達障害ないしそのグレーゾーンと言われていた人たちが、悪い経過を辿り、他の精神科医に「この人は境界型人格障害だ」と診断されることもある。 なぜそうなるかというと、広汎性発達障害がかなり軽くないと、境界型人格障害にはなれないからである。境界型人格障害には、うまく他者を利用できる、あるいは操作する、というピュアな広汎性発達障害の人には難しい技術がある。 境界型人格障害の女性は、後年、出産し、その子供がなんらかの発達障害を持つと診断されることがある。これはある程度、そのスペクトラム上にあったと

    『現在の境界型人格障害と広汎性発達障害』
    diet55
    diet55 2016/03/28
  • 『うつ状態にスパイス的に使うジプレキサについて』

    うつ状態、うつ病に抗うつ剤に加えエビリファイの少量を追加して治療する手法は現在、適応として認められているが、ジプレキサはそうではない。ジプレキサは双極性障害には処方可能である。 しかし、平凡な抗うつ剤治療で効果が得られない患者さん(抗うつ剤の併用も含め)に対し、ジプレキサの少量(1㎎~2.5㎎)の追加処方で、非常に自覚症状が改善する人がいる。 難治性の人は1回は試みるべき処方だと思う。 しかし、欠点は体重増加や過が出る人が著しく多いこと。 むしろ出なかった人の記憶がないほどである。 過去ログでは、統合失調症ではジプレキサが非常にフィットした場合、体重増加がみられない人が稀ではないといった記事をアップしている。 難治性のうつ状態にジプレキサの少量で非常に改善する人がいることや、それにより必発と言えるほど過や体重増加がみられることは、その人の脳内がいかなる病態なのかを暗示していると思う。

    『うつ状態にスパイス的に使うジプレキサについて』
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    diet55 2016/03/26
    うつ状態にスパイス的に使うジプレキサについて|kyupinの日記 (精神科医のブログ) 「難治性の人は1回は試みるべき処方だと思う。しかし、欠点は体重増加や過食が出る人が著しく多いこと。むしろ出なかった人の記憶が
  • 『向精神薬2剤制限の拡大について』

    今日の記事は短いものの、精神科で治療を受けている人たちには重要だと思う。 平成28年度の診療報酬改定では向精神薬の2剤制限が抗うつ剤、抗精神病薬までに拡大されるようである。 上は田辺三菱製薬株式会社による診療報酬改定のまとめ冊子から、向精神薬制限の部分をアップしたもの。上記の1ページ目の最後の部分から2ページ目の最初にかけて記載がある。 これまで、睡眠薬2剤、抗不安薬2剤、抗精神病薬3剤、抗うつ剤3剤までを上限として許されており、多剤のまま転院してきたとか、薬剤切り替え中の患者さんには例外規定が設けられていた。 今回の改定では抗精神病薬、抗うつ剤も2剤が上限となる。 多剤制限に関しての過去ログでは、外来患者の(抗精神病薬および抗うつ剤の)3剤制限は問題にならないと記載している。 睡眠薬に関しては、不眠が著しい患者が稀におり、自分の外来患者さんの中で2剤に収まらない人が2名だけいる。(この2

    『向精神薬2剤制限の拡大について』
    diet55
    diet55 2016/03/17
    向精神薬2剤制限の拡大について|kyupinの日記(精神科医のブログ 「平成28年度の診療報酬改定では向精神薬の2剤制限が抗うつ剤、抗精神病薬までに拡大」 「これまで、睡眠薬2剤、抗不安薬2剤、抗精神病薬3剤、抗うつ剤3
  • 『傷病手当金・出産手当金の計算方法が平成28年4月から変わる話』

    今回の変更は簡単に言うと、基準となる報酬月額をどのように判断するかだと思われる。 過去ログにいくつか傷病手当金の記事をアップしている。たとえば、 精神疾患による傷病手当金 2011-11-27 傷病手当金の受診日の記載 2012-01-26 などである。いずれも重要なことを記載しているので、そのような状況(精神疾患のために仕事を休む)にある人はぜひ読んでみてほしい。 上の最初のエントリでは、最も重要なことは以下の内容である。 傷病手当金の支払い期間は最高1年6ヶ月である。これは精神疾患であったとしても、結構長い期間と言える。1年6ヶ月丸々支払いを受ける人は重かった人である。ここで注意したいのは、1年6ヶ月というのは、絶対的?な期間であって、延べではないこと。 例えば3ヶ月間、うつ病で休養し給付されたとする。その後、会社復帰し6ヶ月間働いたもののその後再発して再び休養した場合、この6ヶ月間は

    『傷病手当金・出産手当金の計算方法が平成28年4月から変わる話』
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    diet55 2016/03/08
  • 『リフレックス30㎎錠発売準備中』

    まもなく、リフレックスの30㎎錠が発売されるようである。リフレックスは15㎎錠しかなく、30㎎服用してる人は2錠服薬しなくてはならなかった。これが1錠で済む。 元々、リフレックスは15㎎から開始し30㎎まで服薬できるが、これで不十分な場合は45㎎まで服用しても良いといった感じらしいので基は30㎎である。薬価の決め方もこれを基準にしているように思われる。 このようなな流れだと、将来、レクサプロも20㎎錠が発売されるかもしれない。 というのは、今年6月にジプレキサのジェネリックが発売される予定だが、20㎎と1.25㎎の剤型も発売されるようなのである。(すべてのジェネリックメーカーかどうかは知らないが) 共和薬品のサイトでは既にこのことがアナウンスされている。(参考のページのオランザピンを開いてみる) これはリフレックス15㎎と30㎎の効果の比較。 このグラフは仔細にみると興味深い。特に良くな

    『リフレックス30㎎錠発売準備中』
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    diet55 2016/03/06
  • 『「サインバルタがこんなに効くなんて思いませんでした」という言葉』

    ある忍容性の低い患者さん。なんと彼女はトラムセットやトラマールがうつに効くと言う。薬に弱く新しいタイプの抗うつ剤はほとんど服薬できない。 少しだけアモキサンを処方し、低空飛行ながら、なんとか家事ができるレベルを維持していた。彼女は新しいタイプのSSRIやSNRIは服薬できないが、アモキサンだけは服用できるのである。また、10~20㎎でも有効であった。 ある時、サインバルタを提案した。彼女はうつが重くなると必ず腰を痛めていた。画像的には安定しているので、精神面の疼痛への影響は明らかだった。 そういう人はサインバルタを試みたい衝動に駆られる(自分の場合)。 しかしサインバルタは、かつて他の精神科病院だったかクリニックだったかで試されて、さんざんだったらしいのである。 明らかに良くないと思える薬でも、中毒疹などの重い副作用と、そうではなく軽微な副作用が強く出た場合とでは全然違う。 「軽微な副作用

    『「サインバルタがこんなに効くなんて思いませんでした」という言葉』
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    diet55 2016/02/28
  • 『睡眠薬を飲むと命を取られるよという無責任な言葉』

    ある時、外来患者さんから、 睡眠薬を飲むと命を取られるよ。 と内科医に言われたという。どういう経緯で言ったのかは不明だが謎すぎる言動であった。と同時に、この内科医は、患者さんに睡眠薬を処方することなどないのだろうか?と思った。 もっと驚いたことは、この内科医はこの患者さんに抗癌剤を処方していると言うのである。 抗癌剤は薬にもよるが、かなり副作用が出ることは一般の人たちにも知られている。それでもなお、抗癌剤が認可されているのは、ある一定の確率で使った方が癌が消失するか、縮小するからである。その結果、その人の生存率を高めている。 このバランス感覚は極めて重要で、抗癌剤による有害作用で死亡が早まっているように見える人がいたとしても、多くの患者さんの寿命を期待値的に伸ばしていることがあるから、容認されるのである。これはもちろん統計的視点に基づくもので、科学的見解である。 このバランス感覚が欠如して

    『睡眠薬を飲むと命を取られるよという無責任な言葉』
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    diet55 2016/02/23
  • 『転院したら数か月待ちだった話』

    今でもなお、新患の総数と精神科病院、クリニックのバランスがとれていないためか、転院しようとしても数週間、まずくすると数か月待たないといけないことが多い。 輪番をしていると、そのタイムラグ中に悪化して、夜間に来院する人たちを時々診る。 その間、彼らは薬はどうしているのかというと、仕方なく前の病院ないしクリニックに戻り処方箋を貰うらしい。 クリニックは比較的軽い患者さんのかかりつけ医として存在すべきだと思うが、相対的に患者数が多いためか、新患数を増やさない方針のところが多く、「かかりつけ医」風に機能していない。おそらくこれ以上、患者数を増えると体が持たないと思うのもあるように思う。 これらのクリニックは、むしろ美容院のサロンのごとくなっている。 クリニックの場合、病院に比べ、1人当たりの診察時間の最低限の時間規制の影響が大きい。新患は診察時間がかかるためか、1人でやっているクリニックだと、なる

    『転院したら数か月待ちだった話』
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    diet55 2016/02/20
    転院したら数か月待ちだった話|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ) 「このブログの最初の頃に書いたことがあるが、精神科は変わった業界で、必ずしも大学病院などの規模が大きい病院の方が医療技術が高
  • 『ジプレキサのジェネリックが2016年6月に発売されるらしい』

    ジプレキサのジェネリックが今年6月に発売されるらしい。同時に20社くらいが発売し、名前は同じオランザピンとなる。 国の方針でジェネリックは先発品の薬価の5割になるという話が出ていたが、オランザピンはなんと4割に設定されるという。 ザイディス錠は特許の関係で発売されないが、一見、普通の錠剤に見えるOD錠が発売されるので問題はないと思う(リスペリドンのODのようなもの)。 個人的に、ザイディス錠がOD錠より優れているかどうか微妙だと思う。 それはザイディス錠は自動分包機にかけられないからである。 ザイディスは単剤で服薬する人には良いが、他に降圧剤とか胃薬などを飲んでいる人には、ザイディスだけ水が必要ないとしてもメリットは薄い。 また、ザイディス錠は形状が著しく大きい点もデメリットだと思う。 今回のジェネリックは、会社によりくらか違うかもしれないが、OD錠は普通の錠剤よりわずかに大きい。 実のと

    『ジプレキサのジェネリックが2016年6月に発売されるらしい』
    diet55
    diet55 2016/02/18
    ジプレキサのジェネリックが2016年6月に発売されるらしい|kyupinの日記 「現代社会で、ODとは言え、自動分包機にかけられないような錠剤は「完成度が低い」と言わざるを得ない。それは直接コンプライアンスに関係する
  • 『難治性の神経疾患に伴ううつ状態や疼痛を改善すると進行が遅くなる』

    リエゾンをしていると、名前くらいしか知らない稀な神経疾患の患者さんの相談を受ける。 彼らのうつ状態やと疼痛をうまくコントロールすると、なぜか元の神経疾患の進行が予測されているより遅くなる。よく人や担当医から不思議がられる。 例えば、膀胱直腸障害が出始めていたのが消失するとか、運動はもはやできないと言われていた青年が、車椅子バスケットができるようになるなどである。 過去ログでは、統合失調症の患者さんで癌全身転移の患者さんの癌が次第に小さくなっていった話が出てくる。この話に似ていると思う。 ノルアドレナリンやセロトニンを増やすことは、その人の生命力を増す傾向があるのは確かである。 一般にうつ病の人は健康の人より寿命が短いと言われているが、これはうつ病自体が免疫力を下げ、また生きる気力を失わせることが大きい。(北朝鮮の日の話が過去ログがある) これが、なぜか抗うつ剤による有害作用と言われ

    『難治性の神経疾患に伴ううつ状態や疼痛を改善すると進行が遅くなる』
    diet55
    diet55 2016/02/14
    難治性の神経疾患に伴ううつ状態や疼痛を改善すると進行が遅くなる|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ) 「うつ病の人は、薬物治療しないよりした方が明らかに寿命が伸びる。」
  • 『生活保護のルールが柔軟性を欠き、また周知されていない話』

    生活保護の人は贅沢品とみなされるものを購入することは許可されていないが、贅沢品のラインは常に変わり続けている。 1990年のイタリアワールドカップNHKの衛星放送で全試合ライブ放映されたが、衛星放送は特別なアンテナが必要で、さほど普及していなかったこともあり、どこの家庭でも観られるわけではなかった。 当時、外来診察中、生活保護の患者さんと話していたところ、まったく同じ試合を観ていたことが判明。この患者さんは、衛星放送のアンテナをもっているんだと思った。当時、衛星放送を観ることは贅沢なことだったが、既にその設備を持っている人は、その視聴料を支払うくらいは大目に見られたのであろう。 1990年頃はまだバブルの時代であり、自宅を売れば5000万円になろうかという人にも、生活保護が支給されていたりした。 精神疾患のために、仕事ができず生活費も医療費も支払えない状況だと、とりあえず何とかしてやらな

    『生活保護のルールが柔軟性を欠き、また周知されていない話』
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    diet55 2016/02/07
  • 『1型躁転時に薬はいつやめられますか?と聞かれること』

    うつ病は、治療が進むと次第に上下の波が小さくなり、 あの人の躁転はいったいどんな風だったんだろう? と思う人も出てくる。特に治療を引き継いだような人はそうである。最も理想的なのは躁転がなくなるのもそうだが、躁うつ病に伴う「うつ状態」がほとんどなくなることである。長期的にみれば、このうつ状態が社会生活の質に大きく影響する。 順調に治療が進めば、症状が安定し健康な人と区別がつかなくなる。健康な人と異なることは、服薬していることだけである。躁うつ病はプレコックス感なるものがないし、病期が長い人は別だが表情などに痕跡が残らない。同じ内因性疾患でも統合失調症との差は大きい。 自分の患者さんで、1型躁転するたびに、 薬はいつやめられますか? と聞く人がいた。よりによって、先が見えないそんな時に聞かなくても・・といつも思ったものだ。結局、 調子が悪くなればなるほど、自分のことがわからない。 ということ

    『1型躁転時に薬はいつやめられますか?と聞かれること』
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    diet55 2016/01/31
  • 『正看護師という資格の強さについて』

    大学1年の時、夏休みに実家に帰省した期間、2名の生徒の家庭教師をしたことがある。いつかも書いたが、大学1年の夏休みくらいだと、まだかなり難易度の高い受験レベルの問題が解ける。 しかし、その能力に見合うような生徒ではなかった。1名はなんと小学校5年生の男の子で、勉強を教えると言うより、勉強の仕方を教えると言った感じだった。その子の兄は大阪大学の工学部か理学部に在学中だと聴いたが、潜在的能力差は歴然だった。個人的に勉強のできる子を更にできるようにするのは教え甲斐があるが、勉強のやり方から教えないといけない子はやり甲斐がない。 僕は、その子の母親に兄に教えてもらった方が良いのではないか?と実際に提案した。報酬を貰っているとはいえ、それほど苦痛だったのである。 夏休みの終わり頃、その子はしきりにため息をついていたので、よほど学校に行くのが辛いんだと思った。今の子だったら、きっと不登校になっていたと

    『正看護師という資格の強さについて』
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    diet55 2016/01/09
    正看護師という資格の強さについて|kyupinの日記 (精神科医のブログ) 「僕は、大学を中退などで全く資格もない患者さんに対し、病状が回復した際に専門学校ないし大学に再入学するなら、「資格の強さ」を考慮するよ
  • 『2016年初日』

    もう日が替わってしまったが、今年は1月4日が仕事始めの病院が多かったと思う。毎年、正月明けはまだ一般企業で仕事が始まっていないことや、学校がまだ冬休みなことから、朝、道がガラガラなことが多い。まだ正月休み中の人たちが多いのである。 年末年始、街に出てみたら結構な人出があったものの、車が駐車できないほどではなかった。正月は帰省している人たち(学生も含む)の相対的出入りからすると、いくらか瞬間的人口は増えているはずだが、ごった返す街まで出てくる人はそうはいないのかもしれないと思った。自分たち夫婦だが、 地元のホテルに泊まってみましょうか? というプランがあったが、全然空いていなかった。なぜホテルなのか言えば、ホテルにいれば、おせち料理など特別な事を作らなくて良いし、らくちんだから。しかし、ケーブルテレビで年末年始の面白い番組はリアルタイムでは観られない。 しかし、ホテルは全く空いてなかったの

    『2016年初日』
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    diet55 2016/01/05
    「今は精神科病院も、初診は予約制であることも多く、その日に診てくれない病院も多い。」 / 2016年初日|kyupinの日記 気が向けば更新 (精神科医のブログ)
  • 『イフェクサーSRのパンフレット』

    先日、イフェクサーの記事の際に紹介できなかったパンフレットをアップしてみた。全17ページ。 表紙に禁忌が記載されている。なお、発売日は12月8日火曜日だった。 イフェクサーは不安、意欲の低下に効果があると強調している。一般に、ノルアドレナリンはパワーを上げる面がある。不安に効く効果は、セロトニンに関与していることを示す。 安全性に関しては約80%の患者さんに何らかの有害作用があったと記載されている。 デュアルアクションと記載されている。 副作用は服用初期に出現するので、処方する医師も患者さんに注意喚起が必要。 主な副作用。 悪心、傾眠、口内乾燥は20%以上の確率で出現する。 最終的な投与量は80%の人が225㎎だったとある。 また、CYP阻害作用が少ない。ここにジェイゾロフトしか挙がっていないのは、ファイザーの薬なので遠慮があったものと思う。 どのように徐放されるかが図解されている。 イフ

    『イフェクサーSRのパンフレット』
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    diet55 2015/12/16
  • 『統合失調症の人は妄想への薬の効果が語れない話』

    統合失調症の人に抗精神病薬を処方した際に、その妄想への効果は人から直接聴くことは容易ではない。 その理由は、人が妄想を妄想と判断できていないことによる。言い換えると、妄想は既にその人の一部になってしまっている。 洞察できていないものを、あれこれ聴いても、薬の効果が評価できるはずはない。患者さんは、「○○の妄想が、薬が効いてかなり減った」などとは言わないのである。 しかしながら、人の様子を見たり話をすることで、妄想がかなり軽くなっているのは他覚的に観察できる。 一方、幻聴の効果は人の評価で比較的わかることが多い。人に聴くと実際に、「(薬を飲んで)幻聴が減った」などと答えてくれるからである。(例えば、今は夜だけ少しだけ聴こえるなどと言う) 統合失調症の陰性症状も、患者さん自身が語れないといった内容の記事がある。 このようなことから、幻聴は統合失調症の症状の中でも、妄想や陰性症状(情意

    『統合失調症の人は妄想への薬の効果が語れない話』
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    diet55 2015/12/15