ブックマーク / black-orchid.hatenablog.com (5)

  • 慟哭 - 名曲からの物語

    「俺のこと、誰よりもよくわかってくれてるのは、お前だよ。」 その言葉が何よりも嬉しく、私には誇らしかった。 彼の周りにいるどの男友達よりも、私は彼の信頼を勝ち取ったのだから。 休日の映画に、ランチ、どんな時も私は彼の傍にいた。 服を買いに行く時も、そう。 プライベートの服に、仕事のネクタイの一つにしても、必ず振り向いては「どう?」って私に聞いてくる。 「お前のお墨付きがあれば、俺、何でも安心できるんだよな。」って、よく言ってた。 なんだか私色に染まっていく彼を眺めてるのが、最高に幸せだった。 周囲は、みんな、私と彼が付き合ってると思ってた。 いつも「お似合いの二人」って言ってくれたけど、彼からの決定打はなかった。 そんなある日、いつものように彼から仲間内の事に来ないかと連絡が入った。 いつものレストランに、いつもの顔ぶれ。 でも、その日は、少し違う顔がそこにあった。 私よりも年下のおとな

    慟哭 - 名曲からの物語
    ditinoue
    ditinoue 2021/12/31
    今年1年ありがとうございました!!!!来年もよろしくお願いいたします。よいお年をお迎えください。
  • 時には昔の話を - 名曲からの物語

    この話は、主人や子ども達には語らないでおこうと、私の胸に秘めてきました。 ですが、時折、まだ自分がこの世に生かされていると感じた時、堪らなく誰かに聞いてほしくなる時があります。 今日は、どうかこの年老いた私の呟きを、皆さん、聞いてくださいね。 私は、女子学生の頃、あの太平洋戦争を経験しております。 当時、私には愛する人がいました。 その方は、後に特攻隊員として海へと散っていきました。 特攻隊というと空のイメージを持たれている方が多いかもしれませんが、「人間魚雷」として、爆薬と共に敵艦へと突撃していく生還することのない任務に彼は就いていました。 出陣される前に、今でいうピクニックのようなものを想い出としてしました。 ただ、現在のように、男女二人だけでというのは憚られる時代だったため、私の小さかった弟も一緒に行ったのを覚えています。 また、人前で手を繋ぐことなどできなかった時代ですが、おにぎり

    時には昔の話を - 名曲からの物語
    ditinoue
    ditinoue 2021/09/20
  • 異邦人 - 名曲からの物語

    大学受験に失敗した私は、予備校に通うことになった。 高校の時みたいに3年間苦楽を共にした仲間とも離れ、独りぼっちの戦いが始まった。 周りの浪人生たちを見渡すと、チャラい感じの子もいれば、何浪かしてる感じで切羽詰まった雰囲気のがり勉タイプもいた。 私と似たようなタイプがいなくて、かえって授業に集中できるかと思っていたけれど、今にして思えば、それがあの頃の私にとっては、果たして良かったのか・・・ 教室の一番前で授業を受けるのが日課になっていた私。 とにかく学力をつけて、こんな孤独な場から少しでも早く卒業したかった。 高校の先生達とは違って、さすがプロって思えるくらい、熱のこもった授業が毎日行われている中、絶対に生徒と目を合わせようとしない講師が一人だけいた。 問題集と黒板だけを見ているのに、教え方は上手かった。 でも、何より、教室の雑音があったとしても、耳に入ってくる先生の声が、私の中に沁み込

    異邦人 - 名曲からの物語
    ditinoue
    ditinoue 2021/09/20
  • 負けないで - 名曲からの物語

    恋には色んな形がある。 大人の人から見たら、中学生の恋は、恋のうちに入らないかもしれない。 だけど、子どもは子どもなりに一生懸命に恋をしてるんだ! 小学生の頃だって「好きだな~いいな~」と思う子はいたけど、兄弟みたいにみんなで楽しく過ごしている中で芽生えた感情だったと思う。 あれを初恋かというと、違うって言いきれる私がいる。 だけど、今回のは絶対に「恋」だ!! 私の心を躍らせたのは、同じ学年のサッカー部のエース。 彼は、勉強は苦手だけど、運動のセンスはピカイチ。 ただ、彼の凄いところは、才能にかまけることなく、誰よりも朝早く来て、そして部活終了後も一人だけグラウンドに残って、毎日一生懸命練習に取り組んでいたところだ。 ひたむきな彼は、凄く凄く眩しかった。 偶然にもその姿を知った時、「自分も頑張らなきゃ!」と勝手に勇気を貰い、次の日から彼がグラウンドにいる間は、私は教室や図書室で受験勉強に取

    負けないで - 名曲からの物語
    ditinoue
    ditinoue 2021/09/20
    名曲ですよね!24時間テレビとか、城島リーダーが走ってるときの歌声と言ったらもう!キンプリもよかったなぁ~(ジャニーズ好き)ほんとにいい曲なんで、どれだけ時代が経ってもずっと好かれる曲だと思います。
  • I've Never Been To Me(愛はかげろうのように) - 名曲からの物語

    あの頃、女子大生だった私達。 卒業してからも定期的に集まっては、近況を伝え合う事会を開いてきた。 社会人やってた頃は、会社の愚痴、恋の悩みなど赤裸々に語り合った。 28歳の時、私達の中からも結婚第一号が出たわ。 30歳まで、あと2年。 焦らないわけじゃなかったのよ。 でもね、その当時、海外出張することが多い部署にいた私は、各国を飛び回る日々を過ごしていた。 最初に結婚した友人に赤ちゃんができた時なんかは、イタリアの美しい夜景を眺めながらワインを飲んでいたかしら。 こうやって日を飛び出して世界中を旅してると、刺激的なことが多くて、当時の私は「家庭なんかにこじんまり納まるなんてバカみたい」って、どこか優越感に浸っていたわ。 でも、そのうち残りの友人達が、あれよあれよという間に寿退社して、それぞれの幸せを掴んでいった。 私も恋の一つや二つなかったわけじゃないのよ。 だけど、あの頃の私には、誰

    I've Never Been To Me(愛はかげろうのように) - 名曲からの物語
    ditinoue
    ditinoue 2021/09/20
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