【マンション業界の秘密】日本人の不動産をめぐる神学論争のひとつに「買う」と「借りる」のどちらが得か、というものがあった。多くの人が一度は悩む問題だ。 はっきり言って、答えはなかった。10年先、20年先の世の中がどうなっているかはわからない。ましてや住宅ローンが終わる35年後のことなど、誰にも予想がつかない。何億円も現金があって、買うのも借りるのも「自由に選べる」という人にとっては単純に好みの問題。買うなら「35年ローンを組まなければいけない」という一般人にとっては、「住まいについてどう考えるか」という価値観が左右した。 賃貸を続けるならば、基本的に「自由」である。好きな場所で、予算に合わせた家賃の住宅を選べばよい。今は日本国中で賃貸物件は余っている。借り手優位の市場は、今後何十年も続く。家賃水準も長期低落傾向であることは確実だ。ただ、賃貸に住み続ければいつまでもマイホームは持てない。 一方