いま、物価高騰で営業も暮らしも大変な状況です。異常な円安によって輸入品の値段が上がっているからだと言われます。では、円安はなぜ起きたのか。どう対応すればいいのか。立命館大学教授の松尾匡さんに聞きました。(全2回) ――いま、物価高騰で営業も暮らしも大変な状況です。異常な円安によって輸入品の値段が上がっているからだと言われますが、この円安の要因はなんでしょうか? いまの円安の要因は日米の金利差の拡大です。日本はずっと低金利なのに、アメリカは金利を上げてきました。おカネをたくさん持ってる人は、金利の高い国で運用したほうがトクなので、金利の低い国の通貨を高い国の通貨に換えようとします。それで円安ドル高になっているのです。 ――なぜ金利差が開いてしまったのですか? 簡単に言えばコロナ対策の差です。多くの国が、人々の生業や暮らしを支えるために、大規模な財政出動をしました。アメリカの場合はそれがとても