俳句の本が数々ある中で、これまでに私が読んだ本はせいぜい数十冊にすぎない。 その数十冊の中で何の留保も条件もつけずに☆5つと言える本は二冊しかなくて、そのうちの一冊が本書である。 ところがこの本の紹介は妙に難しい。 良い本ならその良い点をただ素直に挙げていけば済む話だが、この本はどの部分を紹介すればいいのかを考えながら読んでいるうちに、またじっと読みふけってしまう。 書いてある内容を熟知していても、また読み返したくなる。 古句を観る (岩波文庫) 作者: 柴田宵曲 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 1985/10/16 メディア: 文庫 クリック: 4回 この商品を含むブログ (3件) を見る 柴田宵曲の文章には人心を穏やかにさせる性質があって「この本は凄い!ぜひ読むべき!」といった興奮型の書評や感想を書く場合の心理とは真逆の方向へと心を持っていかれる。 むしろ日頃のザワザワ、そわそ