いまお二人の近代建築史を中心に研究されている方の見方がありましたが、僕は建築史家ではなく建築家です。じつは堀口さんも神代さんも建築史側の人ではないかと思いながら話を聞きました。今日は、歴史家には恥ずかしくてはしたないと思われるような話を前説にしたいと思っています。 日本工作文化連盟の存在 『新建築』という雑誌がありますが、そのなかにいらっしゃった方や、追い出された方もたくさんいて、日本の建築ジャーナリズムの役割を担ったことははっきりしています。そして、その他に同人誌やマイナーな建築雑誌もいろいろあります。そのうち、1936〜1940年のあいだに『現代建築』という雑誌があり、僕が学生のころは、全部図書館にあって、もっぱらそれを見ていました。僕の建築学科での学生時代は1952〜54年ですから、だいぶ戦後からはずれていますが、その頃でも一番おもしろかったのは『現代建築』でした。この雑誌は神代さん