「コード体系」をどうすべきかについて相談されることがある。商品コード、品目コード、得意先コードといったマスター系テーブルの主キー項目の各桁にどんな意味合いを持たせたらいいのか、という問題だ。私はいつもこう答える。「コード体系についてはユーザサイドで勝手に決めてもらってけっこうです。ただし、コードのいずれかの桁を切り出すような操作を、システムに組み込むことはしません」 かつてシステム開発者にとって、コード体系を定めることは重要な仕事だった。生産管理システムに関する古い本を開くと、コード体系について多くのページが割かれている。品目コードのあり方だけを扱う本さえあった。しかし時は流れ、コード体系は開発者が関わるべき問題ではなくなった。 なぜか。順を追って説明しよう。ずいぶん昔の話だが、商品や製品は「少品種大量生産」を旨として企画されていた。ユーザがそれらのコードを入力することで、製造指示や出荷指