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ブックマーク / tmaita77.blogspot.com (47)

  • 県庁所在地の基礎生活費

    日経新聞WEB版に「地方移住,こんなはずでは,増える支出に落とし穴」という記事が出ています。内容は推して知るべし。生活費が安くなるからと移住したもの,光熱・水道費や自動車関連費がかさんで,かえって支出が増えてしまった,という体験談です。 そうですねえ。東京からの移住の場合,住居費は確実に安くなるでしょうが,光熱・水道費は上がりそうです。田舎はプロパンガスが多いですが,都市ガスより高いですからね。水道も,維持費の関係で田舎では割高です。自動車の費用は言うまでもません。公共交通網が発達している東京と違って,地方では車は必須です。維持費がバカになりません。 データで総決算の比較をすると,どうなるでしょう。『家計調査』に,2人以上世帯の年間支出額平均が47都道府県の県庁所在地別に出ています。2020年のデータは,コチラの統計表です。私は,①住居費,②光熱・水道費,③鉄道・バス費,④自動車関連費の4

    県庁所在地の基礎生活費
  • データえっせい: 御田寺圭『矛盾社会序説』におけるグラフ盗用

    実務教育出版より『教職教養らくらくマスター』(2022年度版)が刊行されました。教員採用試験を受験される皆さん,お手に取ってください。 御田寺圭『矛盾社会序説』にて,私が作成したグラフを,クレジット・出典の明記なく使われました。先方は故意を否定していますが,基的な注意義務を著しく怠ったことによる盗用(剽窃)です。 文部科学省の概念規定を引くと,盗用とは「他の研究者のアイディア,分析・解析方法,データ,研究結果,論文又は用語を,当該研究者の了解もしくは適切な表示なく流用すること(故意又は研究者としてわきまえるべき基的な注意義務を著しく怠ったことによる)」です。 他人制作の統計グラフを,クレジット・出典の明記なく使うことは,まぎれもなくこれに該当します。これは研究者向けのガイドラインの記述ですが,一般人に拡張してもいいでしょう。いや,するべきです。 盗用されたのは,ニューズウィーク日版の

    データえっせい: 御田寺圭『矛盾社会序説』におけるグラフ盗用
  • 生まれ月による学力差

    盆休みも今日でおしまいですが,休暇はいかがでしたでしょうか。私は普段と全く変わらず,午前中はい扶持仕事(ライスワーク)をし,午後からは好きなこと(ライフワーク)をしています。ブログ書きは,その一つです。 昨日の東洋経済オンラインにて,「4月生まれ有利,3月生まれ不利は当か-生まれ月格差に注意」という記事が出ています。筆者は,教育経済学者の中室牧子氏です。 https://toyokeizai.net/articles/-/233182 日の学校は,生まれた年度で区切る学年制ですが,教室の中には,4月生まれから翌年の3月生まれの子が混在しています。両端では1年の差があるのですが,これは結構デカイ。小さい子の場合は,なおさらです。 同時期に同基準のテストをした場合,心身の発育量による差が出てもおかしくありません。実際そうであることは,多くの人が経験で知っています。 上記の記事で中室氏は,

    生まれ月による学力差
  • 婚外子の国際比較

    人生にはいくつかのステージがあり,それぞれを区切るイベントがあります。俗にいう「ライフ・イベント」ですが,学校卒業,就職,結婚,そして出産といったものが想起できるでしょう。 これらは順不同でも構わないのですが,日では寸分狂わず「①学校卒業→②就職→③結婚→④出産」というルートをたどることが期待されます。②と③が入れ替われば「定職もないのに…」と嫌味を言われ,③と④が逆さになれば「結婚してないのに…」と偏見を向けられる。

    婚外子の国際比較
  • アラフィフ婚の増加

    アラサー,アラフォーに次いで「アラフィフ」というステージへの関心も高まってきました。around fifty,50歳近辺という意味です。 現在40歳の私より一回り上の年齢層ですが,人数的に多い「団塊ジュニア」の世代が,間もなくこのステージに達しようとしています。「アラフィフ」という片仮名をメディアで目にする頻度も高くなってくることでしょう。 先日,この言葉をタイトルに掲げた記事を目にしました。アラフィフの結婚が増えている,というものです。記事では,40代後半から50代女性の初婚数が増えていることを示すグラフが紹介されています。 https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170402-00005923-bengocom-life 私はこういう記事に接すると,自分でデータソースに当たり,より詳しいデータを作ってみたくなります。厚労省の『人口動態統計』の時系列統計

    アラフィフ婚の増加
  • 人はどの県に移るか

    地方創生の推進と相まって,「移住先に選ばれる県はどこか?」という類の記事をちらほら見かけます。ふるさと回帰支援センターの調査によると,2016年の移住希望先1位は山梨県,2位は長野県だそうです。 http://news.livedoor.com/article/detail/12700774/ なるほど,住みよい県のランキングでも上位によく挙がる県ですので,さもありなんです。しかるに,口先の意見ではなく,実際に人がどう動いているかの統計を観察するのもいいでしょう。 どれほど地域が人を呼び込んでいるかを測る人口移動の指標として,転入超過率がよく使われます。ある年の転入者数から転出者数を差し引いた数(転入超過数)を,当該年の初頭の人口で除した値です。 2016年の東京の30代(日人)を例に,この指標を計算してみましょう。同年中の転入者は9万1,512人,転出者は9万1,198人ですので,分子

    人はどの県に移るか
  • 中年期からでも参入しやすい職業

    私は40歳ですが,今もらっている仕事だけでえなくなったら,どうするか。美味しい賄いも出ることだし,H屋でアルバイトでもしようかしらん。 ちゃんとした正規雇用の仕事に就こうとしたら,選択肢はかなり限られるでしょうね。如何せん,もう40歳ですので。 私は教員免許状を持っていますが,たとえば,高校教員になれるチャンスはどれくらい開かれているか。厚労省の『賃金構造基統計』では,「職種×年齢×経験年収」のクロス集計がなされています。短時間労働者を除く,一般労働者のデータです。ほぼ正規職員に近いとみてよいでしょう。 2015年の同統計によると,経験年数0年(1年未満)の男性の高校教員は1300人。このうち,40歳以上の者は160人となっています。新米の教員のうち,40歳以上の割合は12.3%ですか。少ないですね。多いのは,大学を出て間もないピチピチの20代でしょう。 しかしタクシー運転手の場合は違

    中年期からでも参入しやすい職業
  • 40歳未婚オトコの何%が,20代の女性と結婚できるか

    長ったらしいタイトルになりましたが,この問題を統計で検討してみましょう。 前々回の記事では,私と同じ40歳の未婚男性が結婚できる率を出してみました。2015年10月時点の40歳未婚男性は28万2217人(①)。同年中の40歳男性の初婚件数は7585件(②)。よって,40歳未婚オトコのうち,めでたく結婚できた者の率は,②/①=2.69%となった次第です。 しかるに,結婚相手の女性の年齢には幅があります。自分と同じくらいか少し下の,30代後半~40代前半あたりの女性と結婚した者が多いでしょうが,20代の若い女性と結婚できた者も中にはいるでしょう。 結婚相談所には,私と同じアラフォーの未婚男性が押し寄せていますが,「できれば20代の女性がいい」などという希望を口にする人も少なくないと聞きます。そういう「高望み」をいかにしてクールアウトさせるかが,スタッフの腕の見せ所なのですが・・・。 先ほど書い

    40歳未婚オトコの何%が,20代の女性と結婚できるか
  • 中年男性のプアとリッチの比較

    私は今年で40歳。働き盛りの時期ですが,ガツガツ稼いでいる人とそうでない人の分化も,さぞ大きいことと思います。 これは年齢現象であると同時に,世代現象ともとれるでしょう。私の世代は,大学卒業時に就職氷河期に直面したロスジェネです。学卒時に正規就職が叶わず,不安定な非正規雇用に留め置かれている人が相対的に多い世代でもあります。 働き盛りの年代における,持てる者と持たざる者の分化。われわれの世代では,これがひときわ顕著なのではないかと推察されます。 それは収入の多寡によりますが,そうした経済条件に違いにより,生活意識や将来展望などにも分化が起きているのではないか。今回は,その様をデータで可視化してみようと思います。 分析したのは,国立青少年教育振興機構『子どもの読書活動の実態とその影響・効果に関する調査研究』(2013年)のローデータです。読書の設問がメインですが,20歳以上の成人を対象に,諸

    中年男性のプアとリッチの比較
  • 小学生の体験格差

    私のツイッターをご覧の方はお分かりでしょうが,昨日はずっと,総務省『社会生活基調査』のデータをいじっていました。 http://www.stat.go.jp/data/shakai/2011/index.htm いろいろな生活行動の頻度の統計で,学歴や所得による違いも分析できるスグレモノです。趣味学歴差などのグラフをツイッターで発信しましたが,興味をもってくださる方が多いようです。 さて,教育社会学の観点から問題にすべきは,家庭環境とリンクした,子どもの生活行動の格差です。子どもは皆違って当たり前で,暮らしに違いがあるのは当然ですが,それが家庭の富裕度など,人では如何ともし難い外的条件とつながっている場合,是正を要する「格差」としての性格が出てきます。 学力格差,体力格差,健康格差などの言葉には,こういう意味合いが込められています。 ここでみるのは,学習,スポーツ,趣味・娯楽,ボラン

    小学生の体験格差
  • 東京都内49市区の大卒人口率

    地域別の平均世帯年収は,このブログで何度もデータを出しました。首都圏の市区町村の年収地図なんてのも,前に作りました。 http://tmaita77.blogspot.jp/2015/03/2013.html 各地域の住民の階層構成を測る指標ですが,経済面だけでなく,文化面も可視化したいもの。後者でよく使われるメジャーは,高学歴人口率です。大学進学率が50%超の今の日では,大卒人口率を出すのがよいでしょう。 私は,アラフォー年代(35~44歳)の大卒人口率を,東京都内の49市区別に計算してみました。資料は,2010年の『国勢調査』です。西暦の下一桁が「0」の年では,住民の学歴も調査しています。このデータを使って,上記年齢層の学校卒業人口に占める,大学・大学院卒人口の比率を出してみました。以下では,大卒人口率ということにします。 http://www.e-stat.go.jp/SG1/es

    東京都内49市区の大卒人口率
  • 40歳の日に

    人生80年とすると,ちょうど折り返し地点にさしかかっているわけですが,自分が生きた軌跡(40年間)を振り返ってみたくなりました。まあ私の個人史など面白くも何ともないので,1976(昭和51)年生まれ世代が生きた時代を跡付けてみようと思います。 この作業は,前に日経デュアル記事でやったことがありますが,ジェネレーション・グラムの形式でしたので,世相や出来事の記載が粗かったきらいがあります。今回は,ベタな年表を作ってみました。1976~2016年の40年間の年表を,年齢(発達段階)と照応させています。

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  • やりがいによる搾取

    「保育所に落ちたの私だ!」という掛け声のもと,国会前でデモが行われたようですが,ツイッター上では「保育士を辞めたの私だ!」という主張が次々に投稿されています。 保育所不足と保育士の待遇の悪さの問題ですが,両者がリンクしているのは,誰もが知っていること。保育士が集まらないから,保育所ができない(増やせない)。保育士の給与については,厚労省『賃金構造基統計』のデータで明らかにしたことがありますが,東京都の保育士実態調査に,より細かいデータがありましたので,それを使ってグラフをつくってみました。 2013年の夏に,都内で就業している保育士に年収を尋ねた結果です。正規職員,有期フルタイム,有期パートという就業地位別の分布が明らかにされています。これら3群の量的規模も分かる,モザイク図にしてみました。

    やりがいによる搾取
  • 年末のプチ・トラブル

    「**という雑誌でも三世代同居についての提言を行うことになり,その記事の中でも,欧州の先進国では三世代同居は数%だということで,各国の数字も使用させて頂く予定です。舞田先生が作られた各国の数値一覧は,スペースの都合で使用できず,お名前などは入れられず申し訳ないのですが,先生のツイッターからヒントを得ていることを事前にご連絡しておきたいと思いました」。 私がカチンときたのは,赤字の文言です。私の意向も聞かずに,「使用させていただく予定です」と決めつけています。また,私が『世界価値観調査』(以下,WVS)のローデータから労力をかけて計算した著作物であるにもかかわらず,クレジットは記入しない,と言ってきています。こんな書き方をして,相手が怒るとは思わないのでしょうか。 出典のWVSサイトにも当たった,とありましたので,自分が調べた数値として使いたい,ということなのでしょう。しかし,出典はWVSサ

  • 子ども1人育てるのにいくらかかるか?

    表記の問いですが,子育て中の親御さんなら,誰しも関心のあること。銀行や生命保険会社による,いろいろな試算レポートもあります。しかるに,官庁統計を使って計算したらどうなるでしょう。 昨日,文科省の『子どもの学習費調査』(2014年度)の結果が公表されました。隔年で実施されている調査で,幼稚園児から高校生の子がいる保護者に対し,子ども1人あたりの年間教育費を尋ねています。授業料,PTA会費,通学費などの学校教育費,学校給費,そして学習塾費や習い事月謝などの学校外教育費までをも含む,広義の教育費です。

    子ども1人育てるのにいくらかかるか?
  • 健康格差に対する認識

    先日,2014年の厚労省『国民健康栄養調査』の結果が公表されました。新聞等でも報じられましたが,今回の目玉は,対象者の世帯所得との関連を分析していることです。 http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000106405.html 上記サイトの調査結果ポイントによると,「所得の低い世帯では,所得の高い世帯と比較して,穀類の摂取量が多く野菜類や肉類の摂取量が少ない,習慣的に喫煙している者の割合が高い,健診の未受診者の割合が高い,歯の数が20歯未満の者の割合が高いなど,世帯の所得の違いにより差がみられた」とのこと。 既存統計を使って,この手の分析を多く手掛けている私にすれば,さもありなんです。それが官庁調査の個人データで明らかにされたのは画期的です。傾向がクリアーな4項目のデータをグラフにしておきます。成人男性のデータです。統計的手法により,年齢ならびに世帯人員の影

    健康格差に対する認識
  • 東京都学校保健経営研究会にて講演

    昨日(8/21),東京都学校保健経営研究会の研修会にて,講演させていただきました。東京都教職員研修センターの研究団体の一つだそうです。 http://www.kyoiku-kensyu.metro.tokyo.jp/08ojt/fukyu/index.html 時間のとれる夏休みに外部の話を聞こうということで,私にお声がかかったのですが,「統計でみる東京の子どもたち(学力・体力)」という主題で講演してほしい,という依頼でした。前に日経デュアルに寄稿した「子どもの学力,体力,富裕度の相関関係」という文章をみて,とのことです。現場の先生も,見てくださっているのだな。 http://dual.nikkei.co.jp/article.aspx?id=3033 私は,提案のあった学力・体力に,生きるための最も重要な要素である「健康」も加え,学力,体力,健康状態の3柱で,東京の子どものすがたをとら

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  • 首都圏の「お金持ち」率マップ

    11月13日の記事では,首都圏の貧困世帯率マップを作ったのですが,今回はその逆の富裕層比率マップをご覧に入れようと思います。年収が1000万以上を超える世帯が,全世帯の何%かです。 資料は,2013年の総務省「住宅土地統計」です。この資料には,各県内の市区町村別の世帯年収分布が掲載されています。私は,1都3県の214市区町村の年収1000万以上世帯比率を出してみました。 http://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.htm 以下は,その地図です。 都内の都心,横浜市の北部,千葉北部の新興地域の色が濃くなっています。年収1000万以上の世帯の率が10%を超える地域です。 トップは,東京・港区の26.5%! この区では,全世帯の4分の1が年収1000万超ということになります。ヒルズ族の存在も寄与しているでしょうね。2位は千代田区,3位は横浜市の青葉区。前にお

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  • 首都圏214市区町村の貧困世帯率ランキング

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  • 壮年男性の体格の国際比較

    秋も深まってきましたが,いかがお過ごしでしょうか。欲の秋,スポーツの秋,芸術の秋・・・。秋を言い表すタームはいろいろありますが,私の場合,1番目はなるべく抑えて,2番目に力点を置かないといけません。如何せん,太り気味なものでして。 ご存じの方が多いかと思いますが,身長と体重から肥満度を割り出す簡便な尺度があります。それは,BMIです。Body Mass Indexの略称で,体重(kg)を身長(m)の二乗で除して出します。2つの数値を入力すれば,値を自動的に出してくれるサイトもあります。 http://www.health.ne.jp/check/bmi.html 私は身長が177cm(1.77m),体重が75kgですので,BMIは23.9と算出されます。これをどう評価するかですが,BMIが25.0を超えると肥満と判定されるそうです。むうう,私はこのラインに近づきつつあります。反対に18.

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