9月1日発売予定の「文章術の本」のタイトルが、たった今、ようやく決まった。 文芸と違って、ノンフィクションや実用書のタイトルは著者には決めさせてくれないことが多い。 僕の場合、小説も、自分が望むタイトルではなく出版されたことが何度もある。 デビュー作『プラネタリウムの空』は、まったく知らないところでこのタイトルが決まった。元のタイトルは『幸福の構造』というものだった。 『天狗の棲む地』もそう。元のタイトルは『翼の囁き』だった。 本のタイトルがどうなるのかは、物書きにとっては大問題である。今回の文章術の本も、ゲラが出た後も、編集者と何度かああでもないこうでもないとやりとりしていたが、そこそこのところに着地して、ほっとしている。 本が売れない時代と言われて久しい。従来なら千数百円の価格で単行本として出ていたような本が、今は、千円以下の新書や文庫で出版される。 新書や文庫は利益が薄いので、万単位