きあげはの羽化 http://www.geocities.jp/dowakan/kiageha_syasin.html 羽化の瞬間 きあげは たまごからさなぎになるまで http://www.geocities.jp/dowakan/sanagi.html
火とぼし山73 次郎も、主人の姪に会うまでは、 きよのことが大好きだった。 でも、みよに会ってから、次郎の 心はだんだんに変わっていったの だろう。 そして、次郎は、大きな農家のむ こになりたいと思うようになった のだろうな。 きよ。次郎のことは忘れるのじゃ。 心がはなれてしまった人に、いく ら心をよせてみてもどうなるもの ではない。 次郎のことは、忘れてしまいなさ い。そして、一日も早く、きよに ふさわしいすてきな人をみつけて ほしい。 明神さまは、眠り続けるきよの顔 をみながら、心の中で話しかけま した。 つづく 「おみわたり」で有名な信州の諏訪 湖には、「火とぼし山」という悲し い伝説があります。 「火とぼし山」は、その伝説をヒント にして、みほようこが書いた物語。
虹の橋の上で3 すると…。 オルゴールの中から、七色のおび のようなものが、するするっとで てきました。 そして、空に美しい虹がかかりま した。 「なんてきれいな虹だろう」 まーちゃんがそうつぶやいた時、 「まーちゃん、元気? まーちゃんはつかまり立ちができ るようになったんだってね。 すごいねぇ。まーちゃん。 その虹の橋をわたって、おばさん の所までおいで。待っているよぉー」 どこからか、かなおばさんの声が 聞こえてきました。 つづく
虹の橋の上で2 まーちゃんは、おかあさんの部屋 で、オルゴールをみつけました。 オルゴールは、かなおばさんから のプレゼント。 ワインレッド色のすてきなオルゴ ールでした。 まーちゃんは、かなおばさんが大 好き。 オルゴールには、「ゆりかごの歌」 の曲が入っていました。 まーちゃんはどんなにぐずってい ても、大声で泣いていても、オル ゴールの音を聞くと、ぴたっとな きやみます。 まーちゃんは、このオルゴールが 大好きでした。 まーちゃんが、オルゴールのねじ ににさわった時、 急にオルゴールがなりだしました。 つづく
火とぼし山69 「きよ。火がどうしたのじゃ」 「火が南にともっていたの」 「何、火が南にともっていたと。 きよ、それは、ほんとか」 「はい。火が、いつもより南にと もっていました。 泳ぐ方向を変えようと思ったとた ん、うずにまきこまれてしまいま した」 「そうか。やっぱりそうだったのか」 「やっぱりって、どういうこと」 「次郎は、わざと別の場所で火を たいたのじゃ」 「わざと?」 「そう。次郎は、いつもとちがう 場所で、火をたいたのじゃ」 つづく 「おみわたり」で有名な信州の諏訪 湖には、「火とぼし山」という悲し い伝説があります。 「火とぼし山」は、その伝説をヒント にして、みほようこが書いた物語。
赤い夕顔の花52 盛永さまを刺し殺そうと思った時、 なぜなくなった両親の顔を思い出 さなかったのだろう。 二人の顔を思い出していれば、盛 永さまを刺し殺すことはなかった だろうに。 犬坊の頭の中で、これらのことば がぐるぐるとかけめぐりました。 「うー、わんわん」 突然、犬坊の目の前に、犬があら われました。 白と黒のまだらの犬でした。 犬は、犬坊に向かって飛びかかっ てきました。 犬坊は、とっさにやりをかまえま した。 すると、その犬の顔が、城主の盛 永の顔とたぶりました。 犬坊は、夢中でやりをふりまわし ました。 つづく 「赤い夕顔の花」は、信州の南端 にあった「権現城」に伝わってい る話をヒントにして、みほようこが 書いた物語。 「つづき」は、今 推敲中です。 推敲が終わり次第、また掲載します。 明日からは、別の物語を掲載する予 定です。
火とぼし山65 「あぶない。あなた、気をつけて」 「手長。おまえこそ、気をつけろ」 二人は、何度もうずの中へひきこ まれそうになりました。 「手長、もうやめよう。こんなこ とをしていると、わしらまでうず にまきこまれてしまう」 「あなた。きよのために、もう少 しがんばりましょう」 「じゃあ、今度はあちら側をさが そう」 「あなた。うずにまきこまれない ように、気をつけてね。 それにしても、きよはどこへ行っ てしまったのでしょう。 淵の奥深く沈んでしまったのかしら」 つづく 「おみわたり」で有名な信州の諏訪 湖には、「火とぼし山」という悲し い伝説があります。 「火とぼし山」は、その伝説をヒント にして、みほようこが書いた物語。
赤い夕顔の花51 私は、この世で一番好きな盛永さ まを、やりで刺し殺してしまった。 なぜあんなむごいことをしてしま ったのだろう。 盛永さまが、「お万。お万は・・・無事 か」と寝言をいわなかったならば、 私は盛永さまを刺し殺すことはなか っただろう。 盛永さまは、なぜあんな寝言をいっ たのだろうか。 私は、盛永さまが誰よりも私を愛し てくれていると思っていた。 でも、盛永さまが愛していたのは、 私ではなく奥がたのお万さまだった のだ。だから、私は、しっとのあま り盛永さまをやりで刺し殺してしま ったのだ。 つづく 「赤い夕顔の花」は、信州の南端 にあった「権現城」に伝わってい る話をヒントにして、みほようこが 書いた物語。
赤い夕顔の花49 「奥がたさま。わしが夕顔の花を とったばかりに、いやな思いをさ せてしまい申し訳ありません。 よかれと思ってしたことが、とん でもないことになってしまいました。 ほんとに申し訳ありません」 そうべえは、お万にあやまりました。 「いいのよ、そうべえさん。 あなたを強くとめなかった私が悪 いのですから。 ちゃんと家のかたにことわって、 夕顔の花を分けていただけば良か ったですね」 「奥がたさま。盛永さまのことは、 何も気にすることはありません。 悪口をいいたい人には、いわせて おけばよいのです。 人の口には、戸はたてられません から」 そういって、そうべえはお万をな ぐさめました。 つづく 「赤い夕顔の花」は、信州の南端 にあった「権現城」に伝わってい る話をヒントにして、みほようこが 書いた物語。
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