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ブックマーク / honz.jp (236)

  • 2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ

    2011年7月15日にオープンしたノンフィクション書評サイトHONZ。日2024年7月15日をもちまして13年間のサイト運営に終止符を打つこととなりました。 2011年の東日大震災から、記憶に新しいコロナ禍まで。はたまたFacebookの時代からChatGPTの到来まで。その間に紹介してきた記事の総数は6105。 発売3ヶ月以内の新刊ノンフィクションという条件のもと、数々のおすすめを紹介する中で、様々な出会いに恵まれました。信じられないような登場人物たち、それを軽やかなエンターテイメントのように伝える著者の方たち、その裏側で悪戦苦闘を繰り広げていたであろう版元や翻訳者の皆さま。さらに読者へ届ける取次会社や書店員の皆さま、そしてHONZを愛してくださったすべての皆さま、当にありがとうございました。 サイトを閉じることになった理由に、明快なものは特にありません。こんなサイトがあったら

    2011-2024 この13年間における最高の一冊 - HONZ
    dowhile
    dowhile 2024/07/15
    honz終了か。おつでした
  • 無限大のドルを求めた果てに逮捕された男の転落記──『1兆円を盗んだ男』 - HONZ

    1兆円を盗んだ男 仮想通貨帝国FTXの崩壊 作者: マイケル・ルイス 出版社: 日経BP 日経済新聞出版 発売日: 2024/6/26 この『1兆円を盗んだ男』は、『マネー・ボール』や『最悪の予感』などで知られるマイケル・ルイスの最新作。今回彼がテーマに選んだ人物は暗号資産取引所FTXを立ち上げ莫大な富を築き上げた後、2022年に逮捕されてしまった男サム・バンクマン=フリードだ。 マイケル・ルイスといえば複雑な題材であっても見事な一筋の通ったストーリーに仕立て上げるノンフィクションの名手だ。しかし、書ではさすがにそうもいかなかったらしい。最終的には年間で10億ドルもの利益をあげるようになり、20代で長者番付にも名を連ねた暗号資産の若き天才に幼少期から迫る──というプロローグながら、マイケル・ルイスの取材中にFTXは破産。 その後、サムはFTXの破産と関連した詐欺やマネーロンダリングを

    無限大のドルを求めた果てに逮捕された男の転落記──『1兆円を盗んだ男』 - HONZ
  • 逆境を生き抜いた開拓者、かく語りき 『女性が科学の扉を開くとき』 - HONZ

    作者: リタ・コルウェル,シャロン・バーチュ・マグレイン 出版社: 東京化学同人 発売日: 2023/11/14 かつての米国科学界における女性に対する偏見と差別がここまですごかったのか。いまさら驚くとはお前の認識不足だろうと言われるかもしれないが、にわかに信じられないような内容が次々と語られる。世代が少し違うからかもしれないし、米国と日の違いもあるかもしれない。ともあれ、そのような状況からジェンダー公正を勝ち取るべく闘った女性研究者、リタ・コルウェルの記録である。 リタ・コルウェル、書の履歴には「米国の草分け的な微生物学者・分子生物学者・生態学者」とある。生物学の範疇とはいえ、微妙に異なる三つの専攻が記されていることに最初は違和感を覚えた。しかし、読んでみたらよくわかる。リタ・コルウェルは、次々と目指すところを変え、さまざまな分野を越境しながらキャリアを積んだ研究者なのだ。 八人兄弟

    逆境を生き抜いた開拓者、かく語りき 『女性が科学の扉を開くとき』 - HONZ
  • 『47都道府県・地質景観/ジオサイト百科』日本列島は美しい地質景観の宝庫だ! - HONZ

    いま日で「地学」がブームになっている。日列島の地質は世界的に見てもユニークなものが多い。プレート境界で火山が集中し地震も活発な島々には、多様な要因による珍しい地形が集まっている。 書は全国各地に点在している美しい地質景観/ジオサイトを、47都道府県別に紹介した地学解説書である。加えて関心の高い地震・火山についても理解できる要素を数多く盛り込んだ。 地質景観の観察は地球研究にも直結するため、教育的にも学術的にも大きな意義がある。書名「地質景観/ジオサイト」のジオサイトとは、「ジオパーク」にあるさまざまな興味深いエリア・スポットを指す。 2000年代から「ジオパーク」という地球を学ぶ取り組みが世界各地で広がった。地質に関連する自然現象のみならず、大地を利用して人が営んできた産業に関わるものも含まれる。 筆者の私は京都大学に着任前、通産省地質調査所(現在の産業技術総合研究所)に18年間勤務

    『47都道府県・地質景観/ジオサイト百科』日本列島は美しい地質景観の宝庫だ! - HONZ
  • 『明治 大正 昭和 化け込み婦人記者奮闘記』化け込み=潜入取材ルポ 型破りな女性記者たちの物語 - HONZ

    2022年度の新聞・通信社における女性記者の割合は男性の4分の1弱である(一般社団法人日新聞協会調べ)。放送業界は多少マシな気もするが、それでもメディアが圧倒的に男性中心であることは変わらない。現代ですらそんな体たらくなのだから、戦前なんて推して知るべし。女性記者(当時は「婦人記者」といった)は各社片手で数えられるほどしかいなかった。 婦人記者という新たな職業が生まれたのは、明治20年代だという。女性読者の増加に伴い、女性向けの記事が求められ、東京や大阪の有力新聞が女性を採用するようになった。 とはいえ、のっけから婦人記者が活躍できたわけではない。女性向けの記事といっても、アイロンのかけ方、シミの抜き方といった家政記事か、政治家や実業家のお宅に赴き、奥様方に普段の生活や子どもの教育法などについてインタビューする名流婦人訪問記などがメインだった。 「号外に 関係のない 婦人記者」と当時の川

    『明治 大正 昭和 化け込み婦人記者奮闘記』化け込み=潜入取材ルポ 型破りな女性記者たちの物語 - HONZ
  • 『眠りつづける少女たち』 集団発生する〈謎の病〉の原因とは - HONZ

    スウェーデンのある地域でのこと。小学校低学年から10代後半までの子どもたちに、〈謎の病〉が発生している。子どもたちは最初、不安になりふさぎ込む。そして徐々に引きこもりはじめ、口数が減っていき、そのうちまったく話さなくなる。最後にはベッドで寝たきりとなり、最悪の場合、べもしなければ目も開かなくなってしまう。そうした子どもたちの数は、2015年から2016年の間だけでも、なんと169人に達している。「あきらめ症候群」と呼ばれるこの病は、では、どうして発生しているのだろうか。 書は、そのような〈謎の病〉の原因を神経科医が追ったものである。扱われているのはあきらめ症候群だけではない。カザフスタンのかつての鉱山町で発生した「眠り病」(第3章)や、キューバ駐在のアメリカ外交官の間で流行した「ハバナ症候群」(第5章)など、8つの章でおもに7つの病がとりあげられている。著者のオサリバンは、関係者へのイ

    『眠りつづける少女たち』 集団発生する〈謎の病〉の原因とは - HONZ
  • ジェレミー・デシルヴァ著『直立二足歩行の人類史』を読む:ゴキブリ二足走行の謎と教訓 - HONZ

    「人間を生き残らせた出来の悪い足」という副題と、次の瞬間にはネコ科大型獣の餌になるという惨劇を予想させる表紙カバーの絵に興味を引かれて、ふと手に取ったでした。序論と第一章では、二足歩行に対するわれわれの思い入れの強さが指摘されていて、ぐっと内容に引き込まれました。ところが54ページまで読み進めたところで、重大な問題にぶつかってしまったのです。そこにはこう書いてありました。 キリストトカゲにせよヴェロキラプトルにせよ、二足歩行の利点とは要はスピードだと思われる。ゴキブリでさえ、非常時には二足で立ち上がって全速力で走る。 「ちょっと待て!」とわたしは思いました。ゴキブリは短距離ならば飛びもするし、普通でさえ、かなりのスピードでササササと走りまわりますよね。そこからさらに速度を上げるために、よりによって二足で立ち上がって走ると!? いやいや、それはありえないでしょう。 第一に、ゴキブリの

    ジェレミー・デシルヴァ著『直立二足歩行の人類史』を読む:ゴキブリ二足走行の謎と教訓 - HONZ
  • 現代のがん治療は間違えているのか?『悪いがん治療:誤った政策とエビデンスはどのようにがん患者を痛めつけるか』は現役腫瘍内科医からの挑戦状だ! - HONZ

    ある種の快感を抱きながら読んだ。漠然とそうではないかと勘ぐっていたことを、ものの見事に説明してもらえたからだ。がんの新薬が次々と登場している。もちろん画期的な薬剤もあるが、喧伝されているほどのことはないのではないか。腫瘍内科医がその真実をさまざまな角度から検証していく。 第1部「がんの薬の効果はどれくらいで、値段はどれくらいか」の冒頭では、いかに「がんの薬は値段が高すぎ、効果は小さすぎる」かという最大の問題が提示される。がんの治療薬は、全生存期間や生活の質から評価されるべきなのに、それ以外の恣意的ともいえる「代理エンドポイント」が使われることが多い。どうしてこれが医学的に誤りなのか、さらに、効果に見合った妥当な価格決定がなされていないことが多い、と話が進む。 「がんの医学をゆがめる社会的な力」と題された第2部は、まず、例外的に奏効した患者のエピソードが宣伝に使われることの問題点が挙げられる

    現代のがん治療は間違えているのか?『悪いがん治療:誤った政策とエビデンスはどのようにがん患者を痛めつけるか』は現役腫瘍内科医からの挑戦状だ! - HONZ
    dowhile
    dowhile 2022/04/06
  • 『おもちゃ』彼女が転落した理由 - HONZ

    この人をみるたびに、「アンバランス」という言葉が思い浮かぶ。元参議院議員の河井案里である。芸能人や文化人にもアンバランスな人は多いが、そうした人々特有の才能の過剰さからくるバランスのなさと、彼女から感じるそれはニュアンスが異なる。 人目をひく派手な外見ながら、どこか無理をしているような雰囲気があるところがバランスを欠いた印象を与えるのかもしれない。書を読んでその印象があながち的外れではなかったと知った。書は生きづらさを抱えたひとりの女性の「転落」の物語であると同時に、この国の政治のどうしようもなくダメな部分を炙り出す一冊である。 河井案里は2019年7月に行われた第25回参議院通常選挙で定数2の広島選挙区から立候補し、第2位の得票で初当選した。夫の克行も9月に安倍内閣の法務大臣に就任し、夫婦でわが世の春を謳歌していた。 ところが案里の当選から3ヶ月後、「週刊文春」がウグイス嬢の「違法買

    『おもちゃ』彼女が転落した理由 - HONZ
    dowhile
    dowhile 2022/03/08
  • 『猫が30歳まで生きる日』ネコの寿命が2倍に? 「偶然」から活路を見いだす - HONZ

    ネコ好きの人はもちろん、そうでない人にとっても朗報だ。ネコを飼った経験のある方はご存じかもしれないが、ほとんどのネコは老齢になると腎臓病にかかり、その多くは長く苦しんだ末に死んでしまう。しかし今、この腎臓病を治すための研究が進んでいるという。 もしこれが実現すれば、ネコの寿命は現在の2倍、30歳程度まで延びる可能性がある。それだけでなく、ネコを対象としたこの研究の成果により、ヒトの病気の治療にも明るい展望が開け始めているのだ。 書では、これまでの医療では「治せない」といわれてきた病気を治すことができる分子「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」の発見と、それを実際の医療に活かすための研究の過程がきわめてわかりやすく紹介されている。 そもそもAIMとは何か。ひと言でいうと血液の中に数多く存在するタンパク質の一種である。その役割は長いこと不明だったが、

    『猫が30歳まで生きる日』ネコの寿命が2倍に? 「偶然」から活路を見いだす - HONZ
  • オランダ史上最悪の犯罪者と呼ばれた兄を告発した妹による、壮絶なる体験記──『裏切り者』 - HONZ

    書『裏切り者』は、映画にもなった「ハイネケンCEO誘拐事件」の実行犯として知られ、その後も犯罪を重ね「オランダ史上最悪の犯罪者」と恐れられるまでになった男ウィレム・ホーレーダーについて書かれた犯罪ノンフィクション/体験記である。 現在ウィレムは逮捕され、終身刑をらっているのだが、彼の罪を告発し終身刑にまで追い込んだのは実の妹で、書の著者であるアストリッド・ホーレーダーなのだ。書は著者が幼少期を過ごした1970年代から、ホーレーダー家がどのような家庭環境だったのか。また、著名な犯罪者の実の妹として日々を過ごすとはどういうことなのか。兄を告発すると決めた決定的な理由、そして告発を決めた後の戦いが、まるでスパイ物の小説のように展開していくことになる。 実の妹なんだから信頼されているだろうし、告発してもバレようがなくない? と思っていたのだがこれが思った以上に壮絶な関係性で、妹だから許され

    オランダ史上最悪の犯罪者と呼ばれた兄を告発した妹による、壮絶なる体験記──『裏切り者』 - HONZ
  • 『令和元年のテロリズム』令和日本のいびつな自画像 - HONZ

    ひとつの犯罪が時代を象徴することがある。 令和元年(2019年)5月28日、朝7時40分頃、小田急線とJR南武線が交差する登戸駅近くで、男がスクールバスを待っていた児童や保護者らを次々と包丁で刺した。男は終始無言で凶行に及び、20メートルほど走って逃げた後、突然自らの首を掻き切り絶命した。この間わずか十数秒だった。 犯人によって小学6年生の女の子と39歳の保護者の男性が命を奪われた。また17名の児童と保護者1名が切りつけられ、このうち女児2名と保護者は重傷を負った。これが令和の幕開けに社会を震撼させた「川崎殺傷事件」(川崎市登戸通り魔事件)である。 この事件が「令和元年」を象徴しているというと驚く人がいるかもしれない。わずか2年前のことなのに事件は早くも世間の記憶から薄れつつあるようにみえるからだ。そもそもあなたはこの事件の犯人の名前を覚えているだろうか?また当時、著名人がメディアで発した

    『令和元年のテロリズム』令和日本のいびつな自画像 - HONZ
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    dowhile 2021/05/22
  • 『東京整形白書 あと1mm』これも現実。 - HONZ

    4人の女性が、顔と名前をあかし、before・afterの写真とともに整形体験を語る。いつもHONZに掲載されるノンフィクションと、傾向はちがう。けれど、これも現実、という読後感を持つだろう。 タイトルどおり東京に来たことこそ、彼女たちの転機だった。「東京はデカい、強い、カッコいい!」。華やかで刺激の多い街で生きる。そのためには綺麗になるしかない。 整形なんてしなくてもいい。そのままがいい。そんなお説教を、書は蹴りとばす。費用も痛みも、並大抵の覚悟では、とても引きうけられないからである。 書の巻頭にある、4人の写真とデータだけでも見てほしい。安い人でも63万円、最高額は約856万円、といった費やした金額、そして、包帯だらけの痛々しい写真を目にすれば、その裏側にある物語を読まずにいられない。 ひとり目の渡部いずみさんは、テレビ番組「恋のから騒ぎ」で明石家さんまさんに「南米の鳥」と呼ばれる

    『東京整形白書 あと1mm』これも現実。 - HONZ
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    dowhile 2021/01/13
  • 『アルツハイマー征服』圧倒的な取材力と筆力で読ませるサイエンス・ノンフィクション! - HONZ

    書のプロローグは、「青森のりんごの形が良いのは、季節ごとに、こまめに手当てをするからだ」という、青森在住のわたしにとっては、不意を突かれる一文ではじまります。 なぜ、アルツハイマーので、青森のりんごなのか? その理由はすぐにわかりました。青森には、家族性アルツハイマーの大きな一族があるというのです。長身で美男美女の多いその一族は、おそらくは結婚相手に困ることはなかったのでしょう、よく繁栄したといいます。しかしどういうわけか、四十代、五十代になると、おかしなことが起こる。二戸陽子さん(仮名だそうです)の身にも、それが起こります。四十歳になる頃からりんごの作業ができなくなり、やがて、りんごの収穫期に、りんごの実ではなく、葉っぱを摘んで持ち帰るようになる。すると一族の人たちは、こうささやきあったそうです。「これはまきがきたのかもしれない」 ここでわたしはまたしても、ドキッとしました。「まき」

    『アルツハイマー征服』圧倒的な取材力と筆力で読ませるサイエンス・ノンフィクション! - HONZ
  • 最強&最恐のアートディレクターは時代を超える『TIMELESS 石岡瑛子とその時代』 - HONZ

    石岡瑛子、どれくらいの知名度なのだろう。不覚にもまったく知らなかった。あるところで、こののことが話題になった。誰です、それ?と尋ねたら、あんな有名なデザイナーを知らないのですか、作品は絶対に見覚えがあるはずです。いま展覧会をやってますから行ってみられたらどうですかと教えられた。 東京出張の折りに、その展覧会『血が、汗が、涙がデザインできるか』を東京都現代美術館へ観に行った。先入観も予備知識もゼロだったが、いきなりタイトルがすごい。会場に入ってまず目を引くのは、白い水着をつけた前田美波里。資生堂化粧品のポスターである。一定以上の年齢の人は誰もが覚えているはずだ。1966年、わたしが小学校5年生の時のものだが、鮮明に記憶している。 広く明るい第一展示室には、渋谷パルコや角川文庫のポスターシリーズ、映画『地獄の黙示録』のポスターなどが飾られていて壮観である。CMのビデオも流されている。見知った

    最強&最恐のアートディレクターは時代を超える『TIMELESS 石岡瑛子とその時代』 - HONZ
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    dowhile 2021/01/07
  • 『ワクチン・レース〜ウイルス感染症と戦った科学者、政治家、そして犠牲者たち』 - HONZ

    『ワクチン・レース〜ウイルス感染症と戦った科学者、政治家、そして犠牲者たち』解説 by 岩田 健太郎 2009年のノーベル生理学・医学賞を受賞したのは、エリザベス・ブラックバーン、キャロル・グライダー、そしてジャック・ショスタクの3氏だった。 細胞寿命の鍵を握る染色体の先端にある連続する塩基配列、テロメア、そしてテロメアを修復する酵素であるテロメラーゼの研究成果が受賞の理由であった。このテロメアがだんだん短縮していくとついに細胞は死亡する。細胞は永遠に分裂できる不死の存在ではないのだ。テロメアが短縮し、細胞が死に至る限界点をヘイフリック限界とよぶ。 それにしても、エリザベス・ブラックバーンとキャロル・グライダーがテロメラーゼを発見したのはグライダーがまだ23歳のとき。カリフォルニア大学バークレー校の大学院生だった。ブラックバーンは同校の助教授(准教授)でまだ30代だった。ジャック・ショスタ

    『ワクチン・レース〜ウイルス感染症と戦った科学者、政治家、そして犠牲者たち』 - HONZ
    dowhile
    dowhile 2020/11/21
  • 『邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき』自衛隊特殊部隊では普段なにをしているのか、元隊員が赤裸々に語る - HONZ

    すでに5万部に届く勢いだというドキュメント・ノベル『邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき』は、そのあまりのリアルさが話題になっているとか。そこでも垣間見える特殊部隊員の日常は、破天荒で、やることなすこと同じ世界の住人なのかと驚くことばかり。成毛眞代表も興味津々だ。こういった小説がなぜ売れるのか、必要とされるのか。HONZならではのベストセラー検証!(HONZ編集部) ※前編はこちら 成毛 前編では、尖閣に伊藤さんが上陸された際のことを細かく伺いました。私はとにかく『邦人奪還』という小説の、というよりも伊藤世界のディテールが面白くてたまらないんです。 伊藤 最初にお会いした時から「なんでこの人はこんなことを知っているんだ?」と、こちらこそ、成毛さんの専門的な知識の広さには驚かされてばかりです。 成毛 いわゆる雑学です。で知ったことばかりなので、物の現場を踏んでいる人に憧れを持っています。ま

    『邦人奪還 自衛隊特殊部隊が動くとき』自衛隊特殊部隊では普段なにをしているのか、元隊員が赤裸々に語る - HONZ
  • 『ピダハン』の著者による、言語獲得&形成の進化史──『言語の起源 人類の最も偉大な発明』 - HONZ

    言語はいつ生まれたのか。 この問いに何万何千年前のある瞬間──というわかりやすい答えがあるわけではない。そのうえ、音声記録など残っているはずもないから、遺跡や痕跡からその地点を確定させることも難しい。いまだに、人類史のどのタイミングで言語が生まれたのか、そこではどのような言語を使ったのか、様々な説があり、確かにこうだ! といえることはあまり多くはない。 ただ、人体の構造や残された痕跡から、ある程度の推測をすることができる。書は、特殊な言語を持つ少数部族である「ピダハン」への研究を行った成果をまとめた『ピダハン―― 「言語能」を超える文化と世界観』(みすず書房)で日でも名が(一部で)知られるようになった、ダニエル・L・エヴェレットによる、「人間がいかに言語を発明したのか」、そして、一度発明された言語がどのように変化していったのか、その進化史を明らかにしていく物語である。 『ピダハン』で

    『ピダハン』の著者による、言語獲得&形成の進化史──『言語の起源 人類の最も偉大な発明』 - HONZ
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    dowhile 2020/08/09
  • 『アメリカン・プリズン──潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス』「更生より収益性」の原理が支配する民営刑務所の実態 - HONZ

    カリフォルニア州矯正局は先日、8月末までに約8,000人の服役囚を釈放すると発表した。理由は言うまでもない。世界の囚人数のうち約4分の1を収容するアメリカでは、刑務所内での感染拡大が深刻な問題になっている。考えてみれば「密」を避けるうえでこれほどハードルが高い場所もないかもしれない。同州では2月以降すでに約10,000人が解放されている。 いくら手に負えないとはいえ、そこまでするのかと思った人もいるだろう。だが書を読んだ身からすると、起こるべくして起こった事態との印象が強い。新型コロナをきっかけに、もともとのいびつな構造が可視化されたという見方もできる。まして書のテーマである民営刑務所ともなれば、まだ明るみになっていないことも多いのではと想像してしまう。 州や連邦の手による公営とは異なり、民間企業が運営する「刑務所ビジネス」は、1970年代から加速した囚人数の増加を受けて急拡大してきた

    『アメリカン・プリズン──潜入記者の見た知られざる刑務所ビジネス』「更生より収益性」の原理が支配する民営刑務所の実態 - HONZ
    dowhile
    dowhile 2020/08/09
  • 『イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』テロと暗殺が交錯する、紛争地帯の現実と倫理 - HONZ

    アリー・ハッサン・サラメ。テログループ「黒い九月」のメンバーで、1972年にイスラエル選手団が殺害されたミュンヘンオリンピック事件の中心人物とされる。黒い九月の解散後はパレスチナ解放機構(PLO)の幹部として活動。米中央情報局(CIA)とPLO議長アラファートの情報交換ルートとして機能した人物だ。 79年、サラメがベイルートにある自宅から20メートルほどの地点を車で走っている時、道路わきに駐めてあった車が爆発。サラメは搬送先の病院で死亡した。実行犯はイスラエルの諜報機関モサドの工作員だった。 まるで映画小説のような話だ。書には、イスラエル建国以来行われてきたこのような暗殺作戦の詳細が、全編にわたり書き記されている。敵に囲まれたイスラエルでは、国家の存亡をかけた戦いが常に行われてきた。 著者のロネン・バーグマンは、イスラエル最大の日刊紙の軍事・諜報担当上級特派員として活躍する。著者はこう

    『イスラエル諜報機関 暗殺作戦全史』テロと暗殺が交錯する、紛争地帯の現実と倫理 - HONZ