英BBCテレビが昨年末、広島と長崎で二重被爆した故・山口彊(つとむ)さんを「世界一運が悪い男」とお笑いクイズ番組で取り上げた問題で、長崎市は、山口さんのドキュメンタリー映画を放送するようBBCに要請することを決めた。市の幹部は「理解を広めてもらうのが被爆地の役割。これをきっかけに、関心を向けてほしい」と話している。 昨年1月、93歳で亡くなった山口さんは晩年、語り部として活動。東京在住のプロデューサー稲塚秀孝さん(60)が活動を支えながら撮り続け、昨年末、記録映画「二重被爆〜語り部・山口彊の遺言」を完成させた。長崎市は映画に英語字幕をつけたDVDとともに「公共放送機関として、理解を深める役割を果たしてほしい」と放送を要請する文書を近く送付する。 この番組を巡っては、在英日本大使館の抗議を受け、BBCと番組制作会社が謝罪している。(仲村和代)