<第1回>能力主義人事の基礎 人事システムの核となる職能資格制度 日本型経営は見直しを迫られており、能力主義に基づく人事制度の構築が求められている。今号から、賃金システムを中心とした諸人事制度の設計方法について事例等を混えて解説していく。第1回目は、人事システムの核でもある職能資格制度について解説する。 1.中小企業経営の人事の悩み 専門・担当スタッフの不在が根底に 最近中小企業の経営者の方々とお話をしていると、賃金についてあるいは人事制度全般についての悩みを聞くことが多い。これは、多くの企業で人事あるいは賃金について、実際的あるいは具体的にどのように設計をしていったらよいのか全くわからない。あるいはそういった担当者も不在である。また自社における賃金制度についての漠然たる不安がある。能力主義人事といったことが、マスコミあるいは各種経営者の交流会で話題になることが多いというところから