進学校図書館の役割 狩野 ゆき 進学校の図書館にはどんな役割が求められているのだろうか。自習室としての存在のみでいいはずはない。ところが,生徒の気が散るからと閲覧机から本が見えないようにしてほしいと言われたとか,高3生に占拠されて下学年は図書館に入れない雰囲気だとか,よく耳にする。 2010年度の学校図書館問題研究会第26回全国大会(東京大会)で,「なにする?どうする?進学校図書館」と銘打ったワークショップを行い,進学校卒業者がひしめいているであろう東京大学学生に高校図書館の利用実態アンケートを実施した。 詳しいアンケートの結果は『がくと』26号(学校図書館問題研究会,2010)をみていただきたいが,学校図書館を「よく利用していた」「時々利用した」という学生の利用目的の70%が「勉強・自習」であった。しかし,「本を借りる」「読書・調べ物」という利用目的も80%あった。また,どんな学校図書館