14年に発足した内閣人事局は霞が関の鉄筋コンクリート並みの秩序をぶっ壊してきた。官僚らに何が自身を利するのか卑しく問いながら。「森友疑惑」で木で鼻をくくったような答弁を続けた財務官僚の栄達などは一つの証明である。 *** 「内閣人事局」が設立されたのは、2014年5月のこと。この組織を政治部デスクに解説してもらうと、 「これまでは各省庁が人事をまとめてきましたが、そのうち審議官クラス以上の約600人について、政治主導で人事を決めるために作られたものです」 ときに批判にさらされる非効率的な縦割り体質や多年の弊風を打ち破る意味で、あるいは社長が会社の人事権を握ることに異論を挟む者がいないのと同じように、官邸首脳が行政機関の人事を差配するのは当然のことだろう。したがってその方向性は間違っていないわけだが、 「政権が長く続きすぎたことで、その澱みが出てきているのではないでしょうか。局長は政
