ブックマーク / drsushi.hatenablog.com (10)

  • 出生前検査認証制度等運営委員会が、医療機関(基幹施設)と検査分析機関を認証したことを発表しました。 - FMC東京 院長室

    いろいろドタバタしていたところ、前回記事から2ヵ月が経過していました。 この間、学会発表やウィメンズヘルスリテラシー協会のオンライン講座での講演など、活動を続けていました。 『NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針』を読む のシリーズを続けてきて、まだ道半ばの状況ですが、2022年6月16日づけで、認証医療機関(基幹施設)と認証検査分析機関が発表されています。 いよいよ日における出生前検査・診断が次のステージに入るといったところでしょうか。 ブログを継続して読んでいただいている方はご存知のことと思いますが、私はこの国におけるNIPTの実施に関するドタバタをずっと注視しつつフォローを続けていました。もちろん、自分自身の仕事に直結していることなので、当然ではあるのですが、自分でも正直よく我慢し続けてきていると思います。客観的に見て、ひどい目にあって

    出生前検査認証制度等運営委員会が、医療機関(基幹施設)と検査分析機関を認証したことを発表しました。 - FMC東京 院長室
    drsushi
    drsushi 2022/06/19
  • ポーランドにおける中絶禁止法に関連した妊婦死亡のニュース。決して対岸の火事ではない。 - FMC東京 院長室

    先日目にしたニュースです。妊娠中絶が厳しく制限されているポーランドで、医師が中絶を躊躇した結果、妊婦が死亡したことをきっかけに、中絶要件の厳格化に抗議するデモがワルシャワで勃発しました。 胎児が死ぬまで「医療行為を拒否された」。妊婦死亡で中絶禁止に抗議のデモ ポーランド | ハフポスト 記事によると、妊娠22週の妊婦さんが破水して入院した際に、胎児に異常が見つかったが、厳格な中絶禁止法のもと、胎児が生存している間は様子を見ることしかできず、母体の感染症が悪化し、胎児死亡を待って帝王切開で胎児を娩出しようとしていたところ、敗血性症ショックか何かで妊婦さんが亡くなったということですが、詳細は分かりません。 デモを主催した活動からは、ポーランド憲法裁判所が、昨年10月に胎児の先天異常を理由とする人工妊娠中絶を違憲とする判決を下したことが、医師が処置を躊躇することにつながり、この不幸な結果の原因に

    ポーランドにおける中絶禁止法に関連した妊婦死亡のニュース。決して対岸の火事ではない。 - FMC東京 院長室
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    drsushi 2021/11/13
    一見、中絶が厳格に禁止されているような国や地域とは違って、自由があるように見える日本。しかし、その現状は危ういものだという事実は、現場にいないとわからない。根本的な問題に向き合う必要を感じています。
  • なぜ決まったルートを外れると中絶を扱ってくれないのか。 - FMC東京 院長室

    このブログで何度も取り上げている、NIPTの問題。厚生労働省の専門家会議が今年3月に終了し、半年が経過したのですが、その後の動きはどうなっているのでしょうか。厚労省のホームページをみると、5月24日に報告書が公開されています。NIPTについて、どのように実施する形となるのか、方針はいつ知らされるのでしょうか? 当院はそろそろ限界です 私たちは、ずっと待ち続けています。学会の決めた指針に従って、検査を扱うことができないまま8年が経過しました。この間、その指針そのものに関する疑問を呈して、日産科婦人科学会あてに公開質問状を送付(回答なし)したり、正面突破を目指して施設認定委員会に申請書を出し(門前払い)たりしてきましたが、状況は何も変わりません。 しかし、私たちを取り巻く状況は大きく変化しました。なんといっても大きい変化は、この検査を扱う医療機関が急激に増え、またその宣伝が大々的に行われるよ

    なぜ決まったルートを外れると中絶を扱ってくれないのか。 - FMC東京 院長室
    drsushi
    drsushi 2021/10/11
    NIPT実施に関する学会の認定を受けずに検査を実施している施設の存在も問題だが、認定を受けている施設や認定の仕組みそのものにも問題があることは、あまり表に出てきていない。厚労省はどこまで把握できているのか
  • 妊婦への情報提供の問題 つづき - FMC東京 院長室

    前記事からの続きです。 1. 情報を伝える側が伝えるべきと考えていることと、妊婦さんやその家族が知りたいこととの間にズレがあるのではないかという問題 2. 産科診療現場における対応の問題 について、考察していきます。 伝えるべき情報は何か NIPTの問題のマスコミなどでの取り上げられ方と、実際に出生前検査を扱いつつ多くの妊婦さんたちと接している感触とでは、明らかなギャップがあることが気になっていました。マスコミで取り上げられる話題は、圧倒的に検査で陽性になった方の選択の話が多いのです。以下のような事例をよく目にします。 ・検査で陽性と告げられ、重大な選択に夫婦で向き合わなければならなくなった。 ・妊婦人と夫との間で意見が対立した。結論を出すまでにさまざまな葛藤があった。 ・どちらかが折れた。多くの場合、妊婦が産みたいと希望し夫が折れるか、夫が育てられないという意見を妊婦が受け入れて中絶を

    妊婦への情報提供の問題 つづき - FMC東京 院長室
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    drsushi 2021/03/28
  • 『内なる優生思想』批判と、『中絶は罪』だと規定する思想 - FMC東京 院長室

    タイトルが違いますが、前記事の続きのようなものです。 前記事で次に書きますと予告した部分について、まずはちゃんと述べる必要がありますね。 内なる優生思想について ・NIPTが優生思想を助長するのではないかという危惧、障害者とともに生きる社会の実現とNIPTの普及とは相反するものという考え(何人かの演者に通底している印象でした) ・内なる優生思想 今回のシンポジウムでも、冒頭からまずは優生学に基づいた検査や処置の歴史や、優生保護法とその問題点が、現在も重い影を落としていることが語られ、出生前検査・診断について議論される際には、かならず優生思想の危険性と結び付けられます。しかし、少なくとも現在の日では、国家として優生政策を実践しようという流れが生じることなどありえない状況であることも確かだと信じています。出生前検査についても、国策として義務化する話にはなりえないです。 しかし、そうではあって

    『内なる優生思想』批判と、『中絶は罪』だと規定する思想 - FMC東京 院長室
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    drsushi 2021/03/09
    出生前検査・診断の議論をしている人たちに、ほんとうに出生前診断の全体像が見えているのだろうか。
  • なるべく検査を行わないように誘導する心理は、どこから来るのだろうか。その1 - FMC東京 院長室

    出生前診断に関わっている中で、よくある相談として、かかりつけ医が検査に否定的という話があります。比較的多いのは、検査そのものの話すら拒否するような態度や、検査の相談をしたら諌められたというような話ですが、もっと具体的な、検査方法はそこにあるけれどもやる意味がないというような言われ方をしているケースがあります。 例えば胎児の超音波検査を妊娠20週に行ったところ、染色体異常が疑われるサインが見つかった場合に、「羊水穿刺で染色体を調べることは可能だが、結果が判明するのに3週間かかるので、それで染色体異常が見つかっても中絶はできません。」とあらかじめ言われているケースがかなりあります。これはどういうことなのでしょうか。 この説明には、複数の事情が絡んでいます。 1. そもそも羊水穿刺には流産のリスクがあるという考えが強くある。 2. 母体保護法に基づく人工妊娠中絶の実施要件に、胎児の異常という項目

    なるべく検査を行わないように誘導する心理は、どこから来るのだろうか。その1 - FMC東京 院長室
  • NIPTに関する議論の場で、出生前検査の全体像や実情が見えているのだろうか。 - FMC東京 院長室

    12月16日水曜日に、NIPT等の出生前検査に関する専門委員会(第3回)が開催されました。ZOOMによるライブ配信があったのですが、私自身は診療業務の合間に見る準備をしていたものの、実際に視聴することができたのは、会議最終盤のもうほとんど「これにて終了します」という時点のわずかな時間のみでしたので、会議内容についての詳細はわかりません。参加者や視聴した人の話をもとに整理していきたいと考えていますが、まずは公開されている資料や、わずかな視聴情報をもとに、意見を述べておきたいと思います。 資料は、厚生労働省のホームページで公開されています。 NIPT等の出生前検査に関する専門委員会(第3回)の資料について ここにある資料にざっと目を通しましたが、この中の「資料2 出生前検査の適切なあり方や実施体制等に関する論点」が、この委員会設置に至るまでの状況や、前2回の会議で話し合われた内容を整理して、今

    NIPTに関する議論の場で、出生前検査の全体像や実情が見えているのだろうか。 - FMC東京 院長室
    drsushi
    drsushi 2020/12/19
    厚生労働省の専門委員会の行く末を見守っていますが、どのような結論に達するのか、いまだ全く未知数です。
  • 【続報】新型出生前診断の指針改定 何が動いた?これからどうなる?根本的な問題は解決されたのか? - FMC東京 院長室

    先週末に急に動いた感のある、NIPT(俗にいう“新型出生前診断”)の指針の改訂と複数学会の容認の話題ですが、関係各所に聞いて回ったところ、経緯が少しわかりました。 このブログで今月はじめに出した以下の記事、私が愚痴っている間に水面下ではいろいろと話を進めていたんですね。まずは一度おさらい。 で、今回水面下で進んだ背景には、厚労省が審議会を立ち上げる、その前段階として資料作りを行うワーキンググループを開始していたけれど、3回やったところでコロナの問題が生じてストップしてしまい、その後動いていないことがあります。 国の対応が遅々として進まない中、認定を受けていない施設が認定施設よりもはるかに多い検査を行なっていて、これが増え続けていると言う現状を、なんとかしないといけないので、まずは何らかの形で前に進めることが大事ということになったのでしょう。 聞くところによると、昨年就任された、日産科婦人

    【続報】新型出生前診断の指針改定 何が動いた?これからどうなる?根本的な問題は解決されたのか? - FMC東京 院長室
    drsushi
    drsushi 2020/06/22
    先週末に出たニュースですが、報道ではわからない部分がまだ多いようです。小児科のメンツを立てることに主眼が置かれ、合意に達したようですが、私たちが問題視している部分は何も変わりません。
  • 新型出生前診断、指針を改定 小規模医療機関でも可能に? - FMC東京 院長室

    昨夜、突然、ニュースが舞い込んできました。 なんと、日小児科学会と日人類遺伝学会が、日産婦の“新指針”を容認すると言うのです。これまでの経緯を知る身としては、にわかに信じがたいこのニュース、一体何が起こっているのかと思っていたところ、今朝になってわかったことは、、、 どうやら、日産科婦人科学会が、指針を改定することになったようなのです。 そして、この改訂にあたり、小児科学会および人類遺伝学会の同意を取り付けられるよう根回しを行ったのでしょう。新たな条件がついた上で、分野の違う3学会が足並みを揃えられるようになったらしいのです。 この報道の見出し通りなら、小規模医療機関でも可能になると書いてありますので、おそらく私たちのクリニックでも実施できる道が開けるのではないかと期待するのですが、このニュース、私たち学会会員には何も知らされておらず、日産科婦人科学会のホームページにも何も広報され

    新型出生前診断、指針を改定 小規模医療機関でも可能に? - FMC東京 院長室
    drsushi
    drsushi 2020/06/21
    日本産科婦人科学会が指針を改訂し、日本小児科学会や日本人類遺伝学会が容認に転じたと報道されています。学会員に周知された情報はまだなく、現時点で詳細は不明で、もう少し見守る必要がありそうです。
  • 検査は『安心』につながるのか - FMC東京 院長室

    先日来、新型コロナウイルス感染を調べる目的でのPCR検査の行われている件数や体制のあり方など、マスコミで話題になることが多く、検査の拡充を求める声が上がっていたようですが、医療関係者の側では慎重論も多く、TVなどでの情報拡散に対しては問題の質がよく理解されていない印象を持っていました。このことについては、いろいろな専門家が意見を発しておられますので、参考になるものもお示ししつつ、同じような問題を孕んでいるように思われる出生前検査についても考察していきたいと思います。 間もなくプロ野球が開幕するということで、各球団が安全対策として選手やスタッフを対象に、新型コロナウイルスの感染の有無を調べる目的でPCR検査を実施しているようです。でもこれ、当にやる意味あるのでしょうか? 神戸大学・岩田教授のインタビュー記事です。 PCR検査、ほとんどテレビを見ないので、そんなことになっているとは知らなか

    検査は『安心』につながるのか - FMC東京 院長室
    drsushi
    drsushi 2020/06/20
    新型コロナウイルスの流行によって、新たに生じた分断。PCR検査に関する誤解・過信をどうすれば解消できるのだろうか。悩ましい問題だ。
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