160万匹のサーモンに餌を与えるネプチューンの装置。地下には400トンの餌が貯蔵されている=9月21日、モーロイ沖 <威容、基地のよう> ノルウェー南西部の小さな港町モーロイから船で40分。フィヨルドに囲まれた穏やかな海に、基地のようなコンクリートの建物が現れた。 世界有数のサーモン生産会社「マリンハーベスト社」が、養殖いけすを管理するために設けた洋上施設だ。地上3階、地下1階。「海の神」を意味する「ネプチューン」と名付けられていた。 数百メートル離れた場所に、直径40~50メートルの養殖いけすが10基ある。生後1年前後のサーモンが160万匹育てられている。 「この辺りは海水温が7~13度で水深もある。サーモンには最適の環境さ」。ネプチューンの担当者は誇らしげに言う。 社員5人が交代で常駐し、コンピューターで大量のサーモンを一元管理する。餌は1日2回、施設から伸びたホースで自動的