■上はこちらから 東日本大震災における犠牲者は、死者・行方不明者合わせて約2万人の人々が犠牲になった。 だが、そのうち身元不明者数は3,000人以上にのぼる。 つまり、犠牲者のうち5人に1人は未だに見つかっていないというのが実情なのだ。 そろそろ震災から1年が経とうとしている現在、メディアも人々も一時期ほど震災について語らなくなっている。こうした現状の裏で、膨大な数の身元不明者や、発見されても身元がわかっていない遺体は、今どういう状況におかれているのだろうか。 昨年10月に発売されて瞬く間に10版を重ねたベストセラー『遺体――震災、津波の果てに』(石井光太著・新潮社)。これは岩手県釜石市における震災直後の遺体安置所や遺体捜索の状況を克明に記録したノンフィクションだ。 舞台となった釜石市では、震災の翌朝から廃校になった中学校が遺体安置所となり、毎日何十体という遺体が運び込まれていた。そこで、