2010年夏コミで出した『瀛報』(ようほう)29号まえがきから。ナマモノなので一部訂正のうえ転載。 映画版のソラヲト、なかなか良かったです。カナタ着任前のプレストーリー『ソラノヲト 拝啓大公殿下さま』ですが、インテリ初年兵のノエル着任から始まる小隊の心温まる交歓劇に仕上がっています。 最初は荒んだ古兵クレハの無理難題、イジメ、鉄拳制裁でチョット沈んだ気持ちになりますが、二人の遭難から物語は穏やかに進展を始めます。山道からのクレハの転落と、殺意すら抱いていたにもかかわらず、惻隠の情から飛び出して助けるノエル。骨折で歩けないクレハを背負ってのサバイバルから互いのわだかまりは溶けていきます。 そして入院中、新しい小隊長フィリシアの勧めもあってクレハはノエルから読み書きを習います。徐々に読み書きできるようになるクレハ、兵隊として成長していくノエルの姿に、小隊の連帯感が強まりが重ねられていきます。孤