技術を至上の価値に,至上の価値を無敵のビジネスに---。 「技術力には自信があるんだ。でも商売がヘタでね」。以前はよく,多くの企業幹部や技術者がこういうせりふを口にしていた。特に「商売がヘタでね」の部分は,それが技術に専心している者の自負であるかのように胸を張って語られたが,そうした時代は過ぎ去りつつある。 単に技術の中身を紹介するだけでなく,技術を価値へと昇華させるプロセスについて論じる場。そうした場の一つとして,このコラムをお届けしたいと思っている。 なお,このコラムは,日経ベンチャー経営者クラブのサイトで連載してきた過去のコンテンツを引き継ぎ,新たにTech-On!において再スタートするものである。 山口栄一(やまぐち・えいいち) 1955年福岡市生まれ。東京大学理学部物理学科卒業(1977年)、同大学院修士修了(1979年)。理学博士(1984年)。1979年、日本電信電話公社