NHKの5回シリーズのドラマ「ハゲタカ」が先週の3月24日に終わった。日本の銀行マンから外資系のファンド・マネージャーに転進した男が,瀕死の日本企業を買い叩く話である。このファンド・マネージャーの目的は,買収後にリストラを推し進めて企業価値を上げて利益を得ることだが,工場閉鎖や人員整理を強引に進めたことから自殺する経営者も出てしまう。だが一方で,現状の経営陣や体制のままでは自力で企業再生を進めることが難しい状況にメスを入れる「救世主」としての側面も持つ。「ハゲタカ」は見るものの価値観によって,「悪魔」にも見えるし「救世主」にも見えるということのようである。これからの日本は,今後増えるであろう「ハゲタカ」という言葉に象徴される外資系ファンドとの付き合いをどう進め,価値観をどう変えていったらよいのか---考えさせられるドラマだった。 そのファンド・マネージャーである鷲津政彦に扮したのが大森南朋