「(南京)大虐殺記念館のような悲惨な記憶ばかりではなく、中国が勝利国であることを強調する記念館を造るべきだ」 今年はじめ、中国国家主席、習近平は周辺にこんな指示を出した。共産党関係者が明かしたもので、南京市にある「南京大虐殺記念館」の隣で進められている「抗日戦争勝利館」の建設は、習肝いりのプロジェクトだという。 中国は今年から9月3日を「抗日戦争勝利記念日」と定めた。「勝利館」は来年の記念日までの完成を目指している。この日に開かれる式典は「史上最大規模になる」と中国メディアは予測するが、開催場所は決まっていない。記念館関係者は「式典にはロシア大統領、プーチンや韓国大統領、朴槿恵(パククネ)も招待されていると聞いている。ぜひ南京で開きたい」と話す。 「勝利館」は当初、1千億円以上の予算が組まれたが、土地の立ち退き問題などが続き、2度予算が追加されたとの情報もある。 文化財などを管理する国家文