まず例題を考えてみよう。 酔っぱらいが居酒屋から出て, 南から北に伸びる一本道をふらふら歩いている状況を考える。 この酔っぱらいはとりあえず北に向かおうとしているが, 完全に酒が足に来ていて, 前に進むか後に戻るかがぜんぜん予想できないものとする。 また, 彼あるいは彼女は最大時速kmの速さで歩くことができるものとする。 ここで, 酔っぱらいが居酒屋を出てから1時間後に, 居酒屋から北向きに測って kmの地点にいるものとしよう。 さて, の値がからのあいだにある確率はいくらだろうか? ここで, わかっていることを整理してみる。 酔っぱらいが区間 にいる確率をと書く。 酔っぱらいの歩く速さが最大時速kmであることから, をkm 以下に取ったとき, は零である。 をkm からだんだん増やしてゆくと, は単調に増加してゆく。 がkm 以上のときはちょうどである。 この例題では酔っぱらいの歩き方に