アニリン―科学小説 (1971年) (コスモス・ブックス) 作者: K.シェンチンガー,藤田五郎出版社/メーカー: 法政大学出版局発売日: 1971メディア: ?この商品を含むブログ (1件) を見る アニリンと言ってなんだかすぐにわかる人は、有機化学関係者以外あんまりいないと思う。有機化合物で、やたらにいろんなものに使われるけれど、最初の頃は染料の合成に活用された。最初は植物染料のインディゴから得られたんだけれど、やがてコールタールから合成する方法が発見され、そしてそれが合成染料に使えることがわかって――有機化学の爆発的な利用と発展が生じた。詳しくは、ウィキペディアの記述でも見ておくれ。 これは1936年のドイツの小説だ。このアニリンが発見され、工業化され、応用されるまでのプロセスを描いた、史実ベースの小説ですな。「科学小説」という副題がついているけれど、「化学小説」というほうがふさわし