京都市美術館(左京区)の総称が「京都市京セラ美術館」となる。市が美術館の再整備費用の半分を賄うため導入した命名権(ネーミングライツ)で、昨年10月に京セラ(同市伏見区)が50億円(税別)で契約候補者となったためだ。だが、命名権をめぐっては、市民団体などが「市民を無視した導入手続きに問題がある」などと撤回を求めている。命名権を得た京セラにとっては市民の反対が広がれば広がるほど、株主の理解を得られないということにもなる。もしそうなれば、契約の白紙撤回も検討せざるを得ない状況になる恐れがあり、事態の推移が注目される。 老朽化で空調故障、展覧会が一時休止 京都市美術館は、昭和8年に建設。昭和天皇の即位の大典を記念した「大礼記念京都美術館」と名付けられ、日本で2番目に古い大規模公立美術館だ。 それだけに老朽化も著しく、昨年7月には、展示室内の湿度を制御する2台の空調装置のうち1台が故障。展示作品の保