近年、海外において日本のマンガが親しまれていることは報道などでも知られるところですが、実際にどのように海外で受容されているかを知るための調査は、日本貿易振興機構(JETRO)が公開する報告書など、まだ数少ないのが現状であり、どの作品がどの国で出版されているかを網羅的に調べた調査は、その数が膨大であるがゆえにまだ存在していません。 そこで、「海外における日本マンガの出版状況の調査」として、初年度である平成25年度は、戦後日本におけるストーリー漫画の第一人者である手塚治虫作品の調査を行い、正規に出版された作品リストの作成を行いました。 本調査は、海外における日本マンガの受容調査など、マンガ分野の様々な調査や研究に利用する「基礎データ」として活用されることを目的に、株式会社手塚プロダクションの協力を得て、正式な許諾のもとに出版された本をひとつひとつ確認しながらリストを作成しています。 このリス
ニュース | News イベント、展覧会、プロジェクト、学会や関連書籍などメディア芸術に関するニュース 「クール・ジャパン」という言葉が登場してから、すでに10年近くが経つそうだ。ところが、この言葉が日本の社会において未だにその居場所を見つけられない一方で、海外における「クール・ジャパン」をめぐる状況は、その間に大きく変化してしまった。今や「クール・ジャパン」に関する認識はアップ・デートされる必要が出てきていると言えるだろう。そんな「クール・ジャパン」についてあらためて考えるための新書が3冊続けて出版された。 1冊目は、元経済産業省官僚である三原龍太郎氏による『クール・ジャパンはなぜ嫌われるのか----「熱狂」と「冷笑」を超えて』(2014年、中央公論新社)である。「オタク官僚(オタクラート)」として、国の政策現場に直接関わってきた著者が、なぜクール・ジャパンが嫌われているのか、その批判の
京都国際マンガミュージアムで「ヌーベル・バンド・デシネ展:フレンチコミックスでつながるアーティスト」開催 京都国際マンガミュージアムで2014年3月15日から5月25日にかけて、「ヌーベル・バンド・デシネ展:フレンチコミックスでつながるアーティスト」が開催される。 「バンド・デシネ(略称BD)」とはフランス語で「マンガ」のこと。「ヌーベル」は、「ヌーベル・ヴァーグ」の「ヌーベル」、英語で言うところの「New」、つまりは「新しい」という意味だ。 今回の展覧会は、フ... ユリゲン・シュターク個展「ZWEI」コンラッド・フィッシャー・ギャラリー、デュッセルドルフで開催 2014年1月17日から3月1日まで、ドイツのデュッセルドルフにあるコンラッド・フィッシャー・ギャラリーにて、ユリゲン・シュターク氏(1978年−)の個展「ZWEI」が開催されている。 コンラッド・フィッシャー・ギャラリーは
ニュース | News イベント、展覧会、プロジェクト、学会や関連書籍などメディア芸術に関するニュース スペインのマンガ市場に関する統計資料「2013年度スペイン・マンガ産業報告書」(LA INDUSTRIA DE LA HISTORIETA EN ESPAÑA EN 2013)が発表された。この報告書をまとめたのは、web上で活発な情報発信を行っている非営利団体のTebeosfera(Asociación Cultural Tebeosfera、略称ACyT、メディア芸術カレントコンテンツ内関連記事)。Tebeosferaは2001年から活動を始め、2009年から非営利団体として登録されている。 Tebeosferaは様々なマンガ関連ニュース記事を配信すると共に、スペインで発行されたマンガ作品、作家、関連書籍(研究書含む)の全カタログ化を推し進めており、その成果はGRAN CATÁLO
2013年10月12日(土)、シンポジウム「マンガのアルケオロジー 視覚的な物語文化の系譜」が学習院大学で開催された。基調講演および三つの発表からなる第1部と、その登壇者たちが討議を行う第2部からなる二部構成で、休憩を含めて計四時間半に及ぶイベントだったが、研究者から一般の方まで、100名強を集める盛況となった。今日、「マンガ」という言葉はごく当たり前のものとして人口に膾炙しているが、その「アルケオロジー」、すなわち「考古学」はいかに探求されうるのか。この問いに対する最新最良の応答とも呼べる今回のシンポジウムについて、以下、簡単なレポートを行う。 マンガの起源をめぐって イベントの幕を開けたのは、夏目房之介氏(学習院大学教授)による基調発表「マンガ史再考のために」である。夏目氏はまず、ここ十数年のマンガ研究の動向の中で、従来のマンガ史観が相対化されつつあることを指摘する。1970年代以降の
戦後日本のアニメーションは、様々な文化的・産業的影響を強く受けつつ発展してきました。しかし、そういった我が国アニメーションに反映された多様な社会背景や変遷等がセルフプロファイルされないまま、ひとつひとつの作品が個別に国内外で拡散してきたため、高い評価を勝ち得た作品はあっても、それら作品群の総体を正しく評価・理解される機会に乏しいという現状が指摘されていました。 我が国アニメーション文化の更なる振興のために、日本アニメーションを取り巻く社会的背景や文化的側面を包含した文化史の整理として実施した調査研究の報告書を公開致します。 この報告書がそうした意識を共有し、文化的な認知、整理、評価のための活動を後押しするものとなればと考えます。 報告書に関するご指摘・ご意見・ご感想は事務局( )までお寄せ下さい。
トップ > プロジェクト > マッピング・プロジェクト 調査報告書 マンガ・アニメーション研究 マッピング・プロジェクト 調査報告書 マンガやアニメーションは、見て、読んで、楽しむだけでなく、大学・大学院などではそれらに関する論文が書かれる(もしくはそのことに興味がもたれる)機会が増えており、またさまざまな分野の研究者からもマンガ・アニメーションが取り上げられるようになるなど、「研究」が盛んに行われています。そのように多様な領域での研究の蓄積がなされる一方で、研究の現状は、学者・研究者のみならず、ジャーナリストや批評家など、様々な関心を持ったバックグラウンドの異なる論者が混在する「混沌(カオス)」な状況となっているため、全体を俯瞰するのが非常に難しい状況となっています。 こうした中で、これからマンガ・アニメーション研究を志す若き初学者にとっての道しるべとして、また研究者交流のきっかけとして
平成 24 年度メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業 マンガ・アニメーション研究マッピング・プロジェクト 報告書 Report of Manga and Animation Research Mapping Project 平成25年3月 森ビル株式会社 はじめに 本プロジェクトは、日本のマンガ・アニメーション研究の現状を体系的に整理し、国内外に対して日本のマン ガ・アニメーション「研究」についての情報発信を行うと共に、国内においてマンガ・アニメーションを振興する 機関・施設関係者に向けて、更には今後の研究を支える若き初学者たちに向けてのガイド作成を目的としたプ ロジェクトである。 「マッピング・プロジェクト」と記すように、企画当初としては両分野の研究状況を俯瞰できる系譜図や分布図 というような形で一覧性の高いマップとして可視化することを1つのゴールとして想定していたもので
ニュース | News イベント、展覧会、プロジェクト、学会や関連書籍などメディア芸術に関するニュース 北米のオハイオ州立大学「ビリー・アイルランド・カートゥーン・ライブラリー&ミュージアム」では、新たな検索ツール「多種文化資料ガイド」(Guide to Multicultural Resources)を公開した。 この検索ページは、アメリカ社会におけるマイノリティに焦点を合わせ、アフリカ系アメリカ人作家、アジア系アメリカ人作家、ラテン系アメリカ人作家という分類によって、同施設が保有する多様な資料を再整理、リスト化しているものだ。 リストは作家名別と、資料種別の二種類が用意されている。資料種別は、作家略歴ファイル、原画、関連する特別コレクション、カートゥーンおよびコミック・ストリップ、コミック・ブック、オンライン資料、アンソロジー、その他(展覧会カタログ、映像資料など)に分けられ、該当する
現在の日本では、社会的関心の高まりによって、学部・大学院レベルでマンガ・アニメーションに関する論文が書かれる(もしくはそのことに興味がもたれる)機会が増えてきています。 しかしそれら研究の現状は、必ずしもアカデミズムによるものだけでなく、ポジショニングやバックグラウンドの異なるさまざまな論者が混在する「混沌(カオス)」な状況にあるため、マンガ・アニメーション研究のプロパーでない者にとっては非常に分かりづらいものとなっているのではないでしょうか。 今回のプロジェクトでは、今後の研究の発展のためにもそれぞれの研究状況を整理し、マンガ・アニメーション研究を志す若き初学者たちにとっての道しるべとなるように、是非知っておいてもらいたい国内外の研究者や評論家、書籍の推薦リストを作成しました。 本トークでは、プロジェクトに関わる5名の研究者による成果発表の他、今後「3次元マップ」によって両研究分野
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く