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ブックマーク / blog.goo.ne.jp/jchz (5)

  • 未来の「本」と「読者」のために/「本が売れない」というけれど(永江朗) - 見もの・読みもの日記

    ○永江朗『「が売れない」というけれど』(ポプラ新書) ポプラ社 2014.11 と書店の今とこれからを考える1冊。まず、マクラに語られるのは、「街の屋」がどんどん消えているという現実。著者は講演で訪れた土佐市で、中学生が歩いて行ける距離に屋がないことを知る。その分、市立図書館はよく利用されているという。ううむ、これって、いいことなのか嘆かわしいことなのか悩む。 今や全国的に見て、日人にとっての最大の読書インフラは、新刊書店でなく図書館である。その背景には、図書館の(よい意味での)変化や、手っ取り早い倹約の実践もあるけれど、を「所有するもの」から「体験/消費するもの」と考える意識の変化も大きいのではないかと分析されている。 また、街の零細書店が消えていく原因のひとつに大型書店の出店があげられる。しかし著者は、多くの読者(消費者)が大型書店の出店を歓迎している事実を冷静に受け止めて

    未来の「本」と「読者」のために/「本が売れない」というけれど(永江朗) - 見もの・読みもの日記
    egamiday2009
    egamiday2009 2015/01/25
    「本を「所有するもの」から「体験/消費するもの」と考える意識の変化も大きいのではないか」「紀伊国屋書店が、洋書(専門書)の外商を担える人材の育成に、積極的に取り組んできたことは注目に値する」
  • 最近の大学講義/知の訓練(原武史) - 見もの・読みもの日記

    ○原武史『知の訓練:日にとって政治とは何か』(新潮新書) 新潮社 2014.7 書はけっこう売れているらしい。著者人がツイッターでそんな情報を流していた。「はじめに」の末尾によれば、書は著者の勤務先である明治学院国際学部で2012年9月から13年1月にかけて行われた講義「比較政治学」の録音をもとにしたもので、講義を聴いていたのは、主に大学二、三年生だという。「いまどきの普通の大学生にもわかりやすい講義を心掛けたので、難しい学問用語や概念装置はできるだけ使わないようにしましたが、私自身の研究成果が随所に織り込まれており、レベルを下げたつもりはありません」と著者は誇らかに宣言しているが、うーん、これには全面同意しかねる。 書の章立ては「時間と政治」「広場と政治」「神社と政治」「宗教と政治」「都市と政治:東京編」「都市と政治大阪編」「女性と政治」と進む。テーマを問わず、原先生の著書(

  • ネーションの内と外/日本を再発明する(テッサ・モーリス=スズキ) - 見もの・読みもの日記

    ○テッサ・モーリス=スズキ著;伊藤茂訳『日を再発明する:時間、空間、ネーション』 以文社 2014.2 序文を読み始めて、書が1998年に出版された「Re-Inventing Japan: Time, Space, Nation」の翻訳だと分かったときは、ちょっとがっかりした。目まぐるしい社会の動きに翻弄されていると、90年代に書かれたが、今なお意味を持っているとは思えなくなっているのだ。 しかし、そんなことは全くなかった。集団的自衛権やら特定秘密保護法やらヘイトスピーチやら、2014年になって、急に前景にせり出してきたかに見える問題群は、90年代には、明らかにその萌芽が存在していた。そして、歴史を丁寧に掘り起こせば、どんな問題も長い根っこを持っている。書は「日」「自然」「文化」「人種」「ジェンダー」「文明」「グローバリゼーション」「市民権」という八つの基タームを取り上げ、日

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  • 浅草文庫の記憶/資料館における情報の歴史(東博・本館16室) - 見もの・読みもの日記

    ○東京国立博物館・館16室(歴史資料) 東京国立博物館140周年特集陳列『資料館における情報の歴史』(2013年1月8日~3月3日) 展示趣旨に「資料館は、明治5年の東京国立博物館の開館時に、英国の大英図書館をモデルに設置された日最初の官立図書館である『書籍館』に由来しています」と、いきなり言われても、一般利用者には何のことか、分からないだろう。私も分からなかった。 東博のTOPページで、それらしいメニューを捜して「調査・研究」にカーソルをあわせると、「資料館利用案内」というリンクが現れた。「東京国立博物館資料館は、1872年(明治5年)の博物館の創設以来、博物館が収集・保管してきた写真・図書などの学術資料を、研究者を中心に広く公開する施設として、1984年(昭和59年)2月1日に開館しました」とある。なるほど、この施設のことらしい。博物館附設の、ライブラリー兼アーカイブズみたいなもの

    浅草文庫の記憶/資料館における情報の歴史(東博・本館16室) - 見もの・読みもの日記
  • お手頃ハンドブック/すぐわかる絵巻の見かた(榊原悟) - 見もの・読みもの日記

    ○榊原悟『すぐわかる絵巻の見かた』 東京美術 2012.6改訂版 サントリー美術館の『お伽草子』展を見に行って、うきうきした気持ちだったので、図録と一緒にミュージアムショップで買ってしまった。2004年初版発行、一部図版を拡大したり増補した改訂版である。「合戦絵巻」「伝記絵巻」などにジャンル分けをして、計33の絵巻が見開き2ページ(作品によっては4ページ、または6ページ)で紹介されている。少なくとも1場面は「名場面」をカラー写真で紹介。そのほかに、所蔵者、物理形態(○巻、長さ)、成立年代などの基礎データ、見どころ紹介、そして「ハイライト・シーン」から成っている。 文は榊原先生の執筆かと思ったら、主には佐伯英里子さんと内田啓一さんという方であった。特に内田さんの解説が軽妙で「こりゃ気が抜けない」とか「あら不思議」とか、絵解きの講釈師みたいな語り口で、ときどき吹き出しそうになった。「ハイライ

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