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  • 正統なき異端 : 池田信夫 blog

    2015年02月27日00:51 カテゴリ 正統なき異端 安倍首相が「戦争をしたがっている」とか「ヒトラーだ」という類の話は、彼を過大評価している。よくも悪くも、彼にはヒトラーのような信念も指導力もない。憲法改正は、今では政治的スローガンとしてもほとんど意味がない。 丸山眞男は1950年代なかばから死ぬ直前まで、『正統と異端』という幻の主著を書こうとしたが、ついに未完に終わった。それは彼の弟子との研究会をまとめたもので、その資料や録音テープが今後も刊行される予定だ。書ではその研究会に40年間つきあった著者が、なぜこのプロジェクトが未完に終わったかを語っている。 当初はキリスト教の正統と異端という図式で天皇制と共産党を論じるという発想だったらしいが、戦後に天皇制や共産党の正統性が衰える中で、丸山はL正統(legitimacy)とO正統(orthodoxy)の違いに興味をもつようになる。西

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    eigokun
    eigokun 2015/02/27
    "日本には正統がなくて異端だけがあった。非国民はあったが、国民はなかったのです"
  • 社会秩序とコミュニケーション : 池田信夫 blog

    2015年02月19日11:29 カテゴリ 社会秩序とコミュニケーション 書は最近のゲーム理論(と実験)のサーベイだが、もうナッシュ均衡の概念はほとんど出てこない。それは第一近似としては意味があったが、多人数のゲームでナッシュ均衡(不動点)を計算することは不可能であり、現実に人々はそんな計算をしていないからだ。 囚人のジレンマもほとんど出てこない。それはジレンマではなく支配戦略の一つに決まったゲームであり、人々はそういう答のわかりきったゲームをしていないからだ。「社会的動学」のモデルはもっと一般的な共通利益ゲームであり、答は複数あって決まらない。 では社会秩序はどうやって維持されているのか。著者の答は、コミュニケーションである。人々は「最適反応」を合理的に計算しているのではなく、ひたすら他人と話し、その行動を学習して模倣しているのだ。そして十分多くのコミュニケーションがあれば、学習によ

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    eigokun
    eigokun 2015/02/19
    "これに対して、部族社会に分断されたままのアラブやアフリカでは、部族を超えたコミュニケーションが成立しないので、イスラムのように大きな集団を統合する暴力装置(法=宗教)が必要になる。"
  • 世代間格差を是正する年齢別選挙区 : 池田信夫 blog

    2014年11月23日12:49 カテゴリ法/政治 世代間格差を是正する年齢別選挙区 きょうのアゴラこども版に書いたのはわかりきった話だが、問題はこんな当たり前のことを主張する政党が一つもないことだ。特に三党合意で増税を決めた民主党まで増税先送りに賛成したのは無責任だが、現在の有権者の構成ではやむをえない。安倍首相は「代表なくして課税なし」といったが、将来世代は国会に代表を出せないからだ。 有名なmedian voterの定理によれば、小選挙区制では中位投票者の利益にあわせた政策を掲げることが合理的だ。たとえば9人の有権者が年齢順に1から9まで並んでいるとする。A党が最年少の投票者9の利益にあわせた政策を出すと、B党は8に合わせた政策を出せば1~8の票を取れる。これに勝つにはA党は7に合わせれば1~7を取ることができる…というように考えると結局、どっちの党も中位投票者5にあわせることが合理

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    eigokun 2014/11/24
  • 解散・総選挙は合理的である : 池田信夫 blog

    2014年11月11日16:40 カテゴリ法/政治 解散・総選挙は合理的である 急に解散風が吹いてきた。政治部の記者は、政策はアマチュアだが政局はプロなので、彼らの解説は信用できる。12月2日解散で14日投開票というスケジュールが有力らしい。その理由は消費税ではない。内閣支持率である。政治家が使うNHKの世論調査で、支持率は8%落ちて44%になった(社会実情データ図録)。 これはアベノミクスへの期待が消えてきたことを反映していると思われる。このままでは、来年はもっと悪くなる。4月の統一地方選挙と同時という説もあるが、それより今のほうがいい。秋の総裁選の後という説もあるが、来年後半以降になると、経済がボロボロの状態で解散に追い込まれる麻生内閣のパターンになる。 経験則によれば、自民党の得票率は内閣支持率にほぼ比例する。麻生首相のように15%という末期的な状態で解散すると、惨敗する。今のうちな

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    eigokun 2014/11/12
    なるへそ~
  • 日本的ファシズムを生んだ「和」の精神 : 池田信夫 blog

    2014年08月27日00:17 カテゴリ的ファシズムを生んだ「和」の精神 丸山眞男は座談の名手で、9巻の座談集まで出ているが、書はそれとは別にまとめられた1984年の座談会だ。印象的なのは、丸山が戦後リベラルの看板である「平和主義」を徹底的に否定していることだ。彼は、政治質は暴力だという。政治という領域は、極限状態においては殺すということを予想しているわけです。大部分の政治はそれなんだ。暴力的対立を前提にしてるんです。[…]紛争それ自体を悪いことだとする考え方が、日人の国民性かというと、もともとそうじゃないんですよ。むしろ、こっちのほうこそ、幕藩制から明治天皇に至る間にできた負の遺産なんです。ここには、最近の歴史学で論争になっている「暴力史観」に似た発想がある。政治の根源には暴力があり、それを抑止することが国家のコア機能だという丸山の直観はウェーバーを継承したものだが、そ

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    eigokun 2014/08/28
  • <つくる>と<なる> : 池田信夫 blog

    2014年08月20日00:54 カテゴリ <つくる>と<なる> 木田元氏が死去した。彼の専門はハイデガーだが、私が一番おもしろかったのは『マッハとニーチェ』である。西洋的な合理主義に反抗する危険思想だったニーチェが、日では何の抵抗もなく受け入れられたのは、日人が「天然ニヒリスト」だからだろう。 書はもっとポストモダン寄りで、ここでも丸山眞男が出てくる。西洋の存在論は、世界を<つくる>ものと考えているというのがハイデガーの批判で、彼はニーチェの延長上で<なる>ものとして存在論を考える。その延長上にあるのが、丸山の「古層」だという。ハイデガーが<つくる>存在論を克服しようとしたのに対して、丸山は初期には<なる>政治意識をプレモダンなものとして克服しようとした。しかし丸山も晩年には、両者を並列して見ていた。彼の「古層」にはフーコーも注目してフランスにまねき、レヴィ=ストロースは手紙をく

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    eigokun 2014/08/20
    表現分野にも適用できる考え方なのが面白い。絵の世界でも、美大出身の人は西洋の方法で習ってるから「描く」じゃなくて「作る」になってるんだよな。
  • 丸山眞男と天皇制 : 池田信夫 blog

    2014年08月17日19:55 カテゴリ 丸山眞男と天皇制 今年は丸山眞男の生誕100周年だが、記念出版もこの『現代思想』ぐらいしかない。もう忘れられたのか、あるいは彼の代表した「戦後民主主義」が消えたからか知らないが、この雑誌を読んだだけでも丸山学派は終わったんだなと思う。特に「丸山が生きていれば秘密保護法や集団的自衛権に反対したはずだ」という杉田敦氏のインタビューには、暗澹たる気分になる。 しかしそれは丸山の思想の寿命が尽きたということではない。逆である。彼の射程が大きすぎて、エピゴーネンにはその全容が見えないのだ。この点を辛うじて指摘しているのが、田中久文氏のエッセーだ。彼は丸山の天皇論の変遷を追いながら、若いころ天皇制に象徴される「無責任の体系」を指弾した丸山が、晩年にはそれを日の一つの伝統として理解するようになったという。 この点は、ここに収録されている丸山の1985年の論

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    eigokun 2014/08/18
    後半が面白い
  • 川勝平太氏の「鎖国」論(アーカイブ記事) : 池田信夫 blog

    2024年04月04日13:01 カテゴリ 川勝平太氏の「鎖国」論(アーカイブ記事) 静岡県知事を辞任すると表明した川勝平太氏に批判が集まっているが、どさくさまぎれに彼の学問的業績まで否定するのは感心しない。彼の「海洋史観」には疑問があるが、専門分野だった江戸時代の経済史については、国際的な視野から「鎖国」を評価していて傾聴に値する。 ヨーロッパで資主義が急速に発達した17~9世紀に、日は鎖国の保護主義で世界から大きく遅れをとったといわれるが、自国の産業を関税などで保護する政策は、イギリスをはじめ世界中の国が行なった。日が(一部の国を除いて)貿易の禁止という方法をとったことは特異だったが、それ自体は大きな損失になったわけではない。書も指摘するように、当時のヨーロッパに日に売り込む商品はなかった。 18世紀までヨーロッパは、アジアに対して貿易赤字だった。彼らがアジアから輸入した商

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    eigokun 2014/06/05
    江戸時代は人口の多さゆえに労働集約型に陥って立ち遅れたけど、戦後は内需でなんとかなる国になったというメリットがあったのかな。
  • 明治維新はなぜ低コストだったのか : 池田信夫 blog

    2014年04月26日13:50 カテゴリ 明治維新はなぜ低コストだったのか 明治維新は不思議な革命である。250年も安定していた幕藩体制が完全に消滅し、支配層だった武士の9割以上が失業した大革命が、西南戦争を入れても3万人以下の犠牲で短期間に実現したのは、世界的にも例がない。 その原因を三谷博氏は、最初は体制内の改良と見せて、なし崩しに廃藩置県をやった西郷隆盛などの「間接戦略」だというが、私はもっと根的な原因は江戸時代の徴税システムにあると思う。 歴史の教科書に出てくる「五公五民」というのは間違いで、徴税の基準となる石高は1700年ごろに凍結され、再測量には農民が百姓一揆で抵抗したので、検地はほとんど行なわれなくなった。このため実効税率は下がり、幕末には2割以下だったと推定される。新たに開墾した土地や米以外の収穫はすべて農民のものになったのでインセンティブは強まり、長時間労働で果てし

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    eigokun 2014/04/30
  • 主権国家のトリレンマ : 池田信夫 blog

    2014年02月03日12:59 カテゴリ経済 主権国家のトリレンマ 今週のメルマガでラフに書いたが、ちゃんと説明したほうがいいので補足しておく。経済学で、国際金融のトリレンマとしてよく知られている話がある。これは 1.自由な資移動 2.固定為替相場 3.金融政策の独立性 の3つのうち2つしか同時に満たせないという問題で、1930年代には1と2を維持したために3が失われ、アメリカの大恐慌が世界中に伝染した。1970年代にも外為市場が動揺したため、2をやめて変動為替相場制にして1と3を維持している。 ユーロ圏では、竹森俊平氏のいうように、1と2を維持しているために南部から北部への大規模な資逃避が起き、ECB(実質的にはドイツ)が金融政策でその赤字を補填している。同じようなトリレンマが主権国家にもあり、次の3つのうち2つしか同時に満たせない。 1.自由な人口移動 2.共通の通貨 3.各地方

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    eigokun 2014/02/03
  • キリスト教思想への招待 : 池田信夫 blog

    2014年01月06日19:49 カテゴリ科学/文化 キリスト教思想への招待 キリスト教と植民地支配の関係は深い。というよりキリスト教が世界宗教になったのは植民地支配のおかげだ、と田川建三氏はいう。新約聖書はギリシャ語で書かれたが、それはギリシャ人が担い手だったからではない。当時のギリシャ語は、ローマ帝国の領内では今の英語のような共通語で、多くの人はそれとは別に現地語で話していた。 つまりヘブライ語で書かれた旧約とは違って、キリスト教は最初からグローバルだったのである。その教義もユダヤ人のための宗教ではなく、誰でも信仰のみによって救済されるという普遍主義だった。この決定的な違いに気づいたのが、パウロだった。彼はトルコ生まれのローマ市民で、ユダヤ人だがギリシャ語を話した。つまり彼は生まれながらの国際人で、ローマ帝国の領内を何度も旅行し、多くの(異なる言語を使う)大都市で布教した。初期教団は皇

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    eigokun 2014/01/06
    "それが特定の国家権力に依存する御用宗教では植民地の住民は信じないだろうが、キリスト教を生んだのは祖国をもたないユダヤ人であり、それを信じて広めたのは民衆だった。" 最初からキリスト教はグローバルだったと
  • 人口の都市集中が必要だ : 池田信夫 blog

    2013年04月20日13:09 カテゴリ経済 人口の都市集中が必要だ 東京・大阪・名古屋の3都市で地下鉄の24時間運行を行なうという案が発表された。こんなことは「アベノミクス特区」などと銘打つまでもなく、世界の主要都市では当たり前のことだ。「これで人口の都市集中が進む」という批判もあるようだが、むしろ今やるべき「成長戦略」はさらなる都市化なのだ。 上の図のように、1960年代まで日の人口は大都市圏に集中を続け、それが高度成長の源泉になっていた。しかし70年代から急速に人口集中率が下がり、成長率も下がった。これは一般には石油危機にともなう不況が原因と考えられているが、増田悦佐氏は逆に、田中角栄以来の地方に公共事業を集める政策が都市集中を阻害して成長率を下げたと論じている。 特に今後の人口減少時代には、全国に満遍なく公共事業をばらまく「国土強靱化」なんて、もっての他だ。必要なのは、3大都市

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    eigokun 2013/04/20
  • 「解雇ルール」についての誤解 : 池田信夫 blog

    2013年04月03日11:46 カテゴリ解雇ルール」についての誤解 政府の産業競争力会議などで「解雇ルール」の議論が始まった。しかし先週、「朝まで生テレビ」でも言ったように、この議論には誤解がある。中小企業では解雇が行なわれているが、大企業では労基法にいう解雇はほとんど行なわれていないのだ。 書によれば、大企業は業績が赤字にならない限り、ほとんど人員整理を行なわない。行なうのも2年以上にわたって赤字が出た場合で、東京都の調べによる1991~6年の実施率(中小企業も含む)は次のようなものだ:新卒採用の停止:68.3% 配置転換:76.7% 出向・転籍:48.3% 一時帰休:25.0% 希望退職の募集:31.7% 指名解雇:13.3%このうち1~4は人員整理とはいえないし、5は法的には依願退職なので解雇にはあたらない。「解雇ルール」が適用されるのは6だけだが、これは「整理解雇の4要件

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    eigokun 2013/04/04
  • アメリカという特殊な連邦国家 : 池田信夫 blog

    2012年11月06日11:05 カテゴリ アメリカという特殊な連邦国家 アメリカ大統領選挙はきょう投票だが、ちょっとおもしろいのは最終盤になって両候補ともオハイオ州に入っていることだ。勝敗は大統領選挙人の数で決まるので、ブッシュ対ゴアのときのように得票数で上回っても負けることがある。これは不合理だというので、今まで何度も選挙法の改正が提案されたが、まったく問題にならない。それは書も指摘するように、アメリカが連邦国家だからである。 イギリスから独立するとき、13の国(state)が共同で戦ったことが連邦政府をつくるきっかけになったが、各国は独立の軍と通貨と徴税権をもつ主権国家だった。1789年に成立した合衆国は、今のEUよりゆるやかな連邦だった。連邦政府には予算がなく、各国からの拠出金でまかなわれ、各国間の通商には関税がかかり、それを規制する権限は連邦政府にはなかった。 各国の長は統治

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    eigokun 2012/11/06
  • 「民主主義」という幻想 : 池田信夫 blog

    2012年08月05日23:50 カテゴリ法/政治 「民主主義」という幻想 きのうアゴラの合宿で田原総一朗さんと中村伊知哉さんと話した「決められない政治」についての議論がおもしろかったので、感想をメモしておく。 なぜ政治が混乱しているのかという話になると、すぐ衆参のねじれとか選挙制度とかいう話になるが、私は根的な問題は日が民主主義ではないことだと思う。そもそもdemocracyを民主主義と訳すのは誤訳で、もとになったギリシャ語のdemosは民衆、kratiaは権力という意味だから、「民衆支配」ぐらいだろう。これはaristocracyの対義語で、一部の貴族ではなくコミュニティの全員が意思決定に参加することだ。 この意味では、日政治の実態はデモクラシーではなくアリストクラシーである。なぜなら、選挙で選ばれた国会議員が立法機能をもっておらず、官僚のつくった法律に注文をつけるロビイストで

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    eigokun 2012/08/07
  • 「まつりごと」の構造 : 池田信夫 blog

    2012年07月28日13:51 カテゴリ法/政治 「まつりごと」の構造 日政治がグダグダになっている原因を「民主主義の不足」に求めて「ネットで直接民主主義」とか「官邸デモで政治を変えよう」などというのはナンセンスだ。ある意味で、日は古来から非常に民主的な国であり、むしろ民主主義の過剰が「非決定」をもたらしているからである。 この点を丸山眞男は論文「政事の構造」や講義で論じている。そのキーワードは、まつりごとである。これを漢字で「政」と書くため、古代の日では祭政一致だったという俗説があるが、日では祭祀と政治は古代から明確に分離されていた。記紀では「まつる」の主語は天皇ではなく、その派遣したヤマトタケルやオホビコノミコトなどの皇子であり、彼らは天皇に職務を委任されて奉仕する(まつる)。つまり日では政治とは、臣下が天皇に奉仕することなのだ。 これは皇帝が権力を独占して国家を支配する

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    eigokun 2012/07/28
  • 人類はずっと戦争を続けてきた : 池田信夫 blog

    2012年06月18日02:59 カテゴリ 人類はずっと戦争を続けてきた いま社会科学と自然科学を横断して、大きな変化が起こっている。聖書に始まり、ルソーやマルクスやレヴィ=ストロースに至るまで偉大な思想家が信じてきた「人類は太古には平和で平等だった」という神話が否定されつつあるのだ。 今までにも紹介してきたように、これはNorth-Wallis-Weingast、Leblanc、Gat、Rosenthal-Wong、Fukuyama、Wilsonなどが一致して指摘する事実であり、その影響は生物学から政治学に至るまで幅広い。書は、これを世界でもっとも有名な心理学者が実証データで詳細に分析したものだ。 40年前に人類学者が発見し、20年前に考古学者が提唱した「国家が戦争を生んだのではなく、その逆だ」という仮説は、書で検証されたといってもいいだろう。この図は見にくい(クリックで拡大)が、

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    eigokun 2012/06/19
    "第二次大戦でレイテ島で飢餓に直面した中内功(ダイエー創業者)は「戦争で一番こわかったのは、寝ているとき隣の同僚に殺されて食われることだった」という。"
  • 電力自由化は政治である : 池田信夫 blog

    2012年05月30日11:04 カテゴリエネルギー 電力自由化は政治である 朝日新聞によると、経産省が2014年には発送電を分離する方針だそうだ。これはニュースではなく、私が経済産業研究所に勤務していた10年前から役所の方針としてはあった。それが実現できるかどうかは政治の問題である。 電力自由化を「悪い東電を解体する」懲罰と考えるのはナンセンスで、競争促進や効率化につながるかどうかを事実に即して考えるべきだ。その観点からいうと、ニューズウィークにも書いたことだが、今のまま小口電力(50kW以下)の自由化を行なうと、競争相手が出てこなくて電力会社が料金を上げ放題になるおそれが強い。発送電分離についても、料金が下がるとは限らない一方、市場が機能しないと電圧が不安定になり、停電が起こりやすくなる。 これについては、30年前に前例がある。当時の中曽根政権は、国鉄に続いて電電公社の民営化を行ない、

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    eigokun 2012/05/30
  • 史上最初の経済学者にして詐欺師、ジョン・ロー : 池田信夫 blog

    2012年05月02日12:26 カテゴリ経済 史上最初の経済学者にして詐欺師、ジョン・ロー ファーガソンが解説しているように、ローマ帝国からソ連に至るまで、歴史上の大国が崩壊する最大の原因は財政破綻とインフレである(ソ連の場合は物不足という抑圧されたインフレ)。日の江戸幕府が崩壊した原因も、各藩の財政が困窮して下級武士の生活が成り立たなくなったことだが、実物経済だったのでインフレは起こらなかった。 財政破綻でインフレが起こるのは、政府債務を返済するために中央銀行が銀行券を大量に発行するためで、現代でも国家破綻のほとんどはこのパターンだ。このしくみを発明したのがジョン・ローである。彼は史上最大の詐欺師として知られているが、「需要と供給で価格が決まる」という法則を発見した経済学の元祖であり、中央銀行や金融システムを発明した銀行家の元祖でもある。経済学者や銀行家が詐欺師に似ているのは偶然では

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    eigokun 2012/05/20
  • 「橋下=小沢政権」の運命 : 池田信夫 blog

    2012年04月07日15:49 カテゴリ法/政治 「橋下=小沢政権」の運命 次の総選挙でもっとも注目されるのは、民主でも自民でもなく大阪維新の会の動向だ。小沢一郎氏は橋下徹氏を「統治機構を改革する点では同志だ」と評価し、橋下氏も消費税は地方税にすべき。その代わり地方が国からもらっている地方交付税を廃止。地方の財源不足は地方の責任で消費税を上げる。その他道路特定財源などを仕事とともに地方に移譲。このような統治機構の変革を小沢先生は考えていらっしゃる。と賞賛している。他の政治家には使わない「先生」という敬称を小沢氏だけに使うところに、橋下氏の政治的意図がうかがえるが、これは事実誤認である。小沢氏が2010年の民主党代表選挙で訴えたのは「補助金の一括交付金化」であって、地方交付税を廃止して消費税にするなどとは言っていない。 消費税を地方税にして、各県ごとに税率や例外品目が違ったら、大混乱になる

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    eigokun 2012/04/07