自民・公明両党は安全保障法制の骨格について合意した。一部の野党は「戦争法案」と批判しているが、安保法制を整備すると本当に戦争に近づくのだろうか。 安保法制の骨格は、自衛隊の海外活動での3原則である(1)国際法上の正当性(2)国会の関与などの民主的統制(3)自衛隊員の安全-の下で、自衛隊の活動について、(1)武力攻撃に至らないグレーゾーン事態対応(2)他国軍への後方支援(3)国際的な平和活動(4)集団的自衛権(5)邦人救出-の5分野などで広げる。 これらを一つ一つみれば、国際常識からいっても戦争になるようなものではない。むしろ、国際協力の観点から遅きに失したものもある。他国軍への協力といっても、グレーゾーン事態への対応では、相互主義の下で、やらないといえば国際的には非常識になる話だし、後方支援も、日本に重大な影響を与える場合なので、やらないというわけにはいかないところだ。 こうした当たり前の