バブル経済崩壊後の就職難で正規雇用の機会に恵まれなかった「就職氷河期世代」を対象にした厚生労働省の中途採用選考が2日、東京都内2カ所であった。採用枠10人に対し、1436人が試験に臨んだ。競争率約140倍という狭き門に、受験者から「宝くじを買うようなもの」「採用数が少な過ぎる」といった声が聞かれた。 政府は3年間で氷河期世代の正規雇用者を30万人増やすとしており、国家公務員の中途採用にも集中的に取り組む。筆記試験実施は厚労省が最初で、1906人が応募していた。世代を絞った異例の採用の背景には、非正規雇用や引きこもり問題を放置することによる将来の社会保障費増大の懸念がある。