ユネスコの無形文化遺産に平成25年12月、「和食」が選ばれた。一汁三菜を基本とする食事のスタイルや「うま味」を使った動物性油脂の少ない食生活が日本人の長寿や肥満防止に役立っていると評価されたのだという。うま味の決め手は「だし」。代表格の昆布だしは関西流として、親しまれてきた。一方、かつおだしは関東流ともいわれるが、その源流も実は、関西にあった。 昆布でだしをとる。うま味の決め手だ 北海道産輸送 大阪市中央区の空堀商店街に店を構える昆布店「こんぶ土居」は、現在も専門店として営業を続ける老舗のひとつ。4代目社長の土居純一さん(42)は、「遠く北海道から運ばれる昆布は当時とすれば舶来品に近い。それを大阪人が日常に取り入れた」と話す。 海上交通が発達した江戸時代。「北前船」と呼ばれた交易船によって、昆布は北海道から日本海づたいに福井・敦賀、小浜まで運ばれ、そこから陸路で運ばれた。商業の中心地だった