ボンゴレビアンコで死ぬ夢で目が覚めた。 薄暗がり。我が家と勝手が違うことにしばし戸惑う。薄っぺらな布団と無数の体臭が混ざった腐ったピーナッツバターみたいな匂い。すぐに職場だと気付く。 仮眠室での目覚めはいつもこんなだ。 我が家の布団が恋しいわけではない。ただ毎回くり返される「ここはどこだ? 職場か」という自問自答がおれを深い落胆におとしいれる。その度に早く辞めようと思うのだ。 シャツの表裏、ボタンの掛け違い、ズボンのジッパーに朦朧とした意識を集中させて制服を着る。 警備室の窓の向こうは、夜のど真ん中。 重いからだをひきずって巡回に出る。眠っていた血液が慌ただしく走り出す。最上階のオフィスの窓からの夜景にしばし立ち止まる。おれは今地球上で太陽からもっとも遠いところにいるのだ、と感傷に浸るその繰り返し。 違うのは夢の内容くらいだ。 今日、なぜボンゴレビアンコかと考えてみれば、それはきっと夜食で