派遣社員やパートなど非正規労働者の数が過去最多を更新し続け、四割に近づいている。安倍晋三首相は経済政策の成果として、雇用の改善を挙げるが、実態は非正規労働者の急増に支えられ、正社員など正規雇用は減っている。安倍政権は企業の競争力を強化するため、正社員のさらなる減少につながる政策も推し進めようとしている。 (横山大輔) 首相は年明け後も景気の回復を強調し、七日の会合では「今年も経済最優先で日本経済をしかるべく成長させていく」と述べた。だが、少なくともその恩恵は国民全体にまで広がっていない。 総務省の労働力調査によると、非正規雇用者は昨年十一月時点で、千九百六十四万人と過去最多になった。雇用者全体に占める割合も増加傾向が続き、政権発足直後の昨年一月と比較して1・9ポイント増の37・2%。働く人の三人に一人が非正規雇用という水準を大きく超えている。