タグ

ブックマーク / booskanoriri.com (11)

  • 「乗りものニュース」が酷すぎる件

    「乗りものニュース」というサイトがあって、しばしば飛行機についても取り上げている。 そのせいで、僕のところにもニュースフィードなどで流れてくるのだけど、とにかく記事の質が悪いことで定評があるので、普段は見ない。 見ないのが優しさだと思っている。 しかし、今回「旅客機の外板 実は100円玉ほどの厚さ その薄さでなぜ大丈夫? 」という、なかなか良い題材を取り上げているので、感心して見に行ったのだ。 そしたら、あまりにも酷いので、このエントリを書くことになってしまった。 件の記事はこれである。 「旅客機の外板 実は100円玉ほどの厚さ その薄さでなぜ大丈夫? セミモノコック構造とは | 乗りものニュース」 web魚拓 1ページ目 → http://gyo.tc/1OrA2 web魚拓 2ページ目 → http://gyo.tc/1OrAX お題はよいのに、ほぼ間違ったことしか書かれていない。 ど

    「乗りものニュース」が酷すぎる件
  • Twitterアカウント永久凍結(1)

    Twitterのアカウント@booskanoririが永久凍結されました。 サブ垢も凍結されていて、Twitter側は新しいアカウントも作らせないようにしています。 2回ほど異議申し立てを送りましたが、以下の回答しか返ってきません。 Hello, Your account has been suspended and will not be restored because it was found to be violating the Twitter Terms of Service, specifically the Twitter Rules against participating in targeted abuse. In order to ensure that people feel safe expressing diverse opinions and beliefs

    Twitterアカウント永久凍結(1)
  • 沖縄での不時着事故に見るオスプレイの脆弱性

    2016年12月13日夜、沖縄県名護市の沿岸にオスプレイが不時着し大破した。 ニュース等によれば、夜間空中給油訓練中に、給油機からの給油ホースが切れて、オスプレイのプロペラ(プロップ・ロータ)を破損したのが原因だという。 ただし、何らかの理由で切れたホースが当たったのか、プロペラに当たったことでホースが切れたのか、そのあたりははっきりしない。 いずれにしても、ホースが当たったことでプロペラが破損したことは確かなようだ。 さて、プロペラを破損したオスプレイはどうなるか。 通常の双発飛行機なら、破損したプロペラ側のエンジンを止めて、片発飛行で帰還すれば良い。 しかし、オスプレイの場合はそうは行かない。 オスプレイは、片方のプロペラを止めて飛行することができないのだ。 このあたりは以前のエントリ「オスプレイの安全性を考える – ハザード検討の一例」に詳しく書いた。 すなわち、今回の事故は、通常の

    沖縄での不時着事故に見るオスプレイの脆弱性
  • 中国の戦闘機用エンジン開発インフラについて

    以前のエントリで、日には戦闘機エンジン開発のインフラが整っていないことを示した。 具体的には推力15トン級の高空試験設備(ATF)がないということだ。 では、諸外国はどうなのか。 防衛省・自衛隊の平成14年度政策評価書「エンジン高空性能試験装置」の参考資料に、下表が示されている。 表中「空力推進研究施設」となっているのが東千歳に整備されたATFだが、空気流量70kg/secで、上限が5トン級に留まることは明らかだ。 他方、欧米のATFはケタ違いの能力を持っており、アメリカの施設などはF-35に搭載されるような推力20トン級エンジンにも対応可能だ。さすがである。 では、航空先進国と呼ばれる欧米各国ではなく、近隣諸国ではどうなのか。 特に中国では、既に推力13トン級のWS-10を実用化しており、更に推力15トンを超えるWS-15の開発も進んでいるとされている。 中国には戦闘機用エンジンを開発

    中国の戦闘機用エンジン開発インフラについて
  • 日本のF-35製造参加は諸刃の剣

    航空自衛隊の次期戦闘機として導入が決まっているF-35戦闘機。非常に素性の悪いプロジェクトですが、そろそろ実用機と称する機体の製造も始まっているようで、自衛隊への導入計画についても進捗が気になります。 さて、このF-35戦闘機は世界各国で分担生産が行われますが、日三菱重工もこれに参画し、製造した部品を輸出することを検討していました。 しかし、先日の報道によると、三菱重工による製造参画に遅れが発生しており、先の見通しも明るくないようです。 直接的な理由としては、製造にあたって必要な多額の設備投資が挙げられています。 これまでの戦闘機のように、自衛隊向けだけに製造するであれば、その設備投資もたいてい防衛省が負担してくれるのですが、外国向けの生産も含まれることから、防衛省の全額負担は望めません。となると、三菱重工はとても利益が出ないと踏んだのかもしれません。 一方、「菅義偉官房長官はこの件に

    日本のF-35製造参加は諸刃の剣
  • 次期輸送機XC-2の開発難航

    年明けに発生した気の重くなるニュース。 次期輸送機XC-2の地上試験において発生した不具合について 年1月7日、地上試験機を使用して、機内の気圧を一定に保ちつつ高高度を飛行できるために必要な機体構造の強度確認のため、設計時に想定した荷重(機内外の気圧差)の約1.2倍の圧力を機内に加圧した際、同機の貨物扉、後部胴体等に損壊が発生しました。 与圧荷重試験において、貨物扉や後部胴体が「損壊」したということだ。設計時に想定した荷重の1.2倍というのは、他のニュースソースとも照らして判断すると、120%LMTの与圧荷重ということだと思われる。 航空機の構造については、実際の運用で発生する最大の荷重を制限荷重(LMT)として、この制限荷重までは有害な変形を起こすことなく耐えなければならない。 また、制限荷重(LMT)の1.5倍、すなわちLMTの150%を終局荷重(ULT)として、ここまで破壊すること

    次期輸送機XC-2の開発難航
    emiladamas
    emiladamas 2014/01/28
    "当該分野の知識が背景になければ、いくら情報が開示されても、汲み取るべき事実や意味を読み取ることは難しいということだ"
  • ジェット燃料JP-8をJET A-1に切り替えるとは?

    隅田金属日誌(墨田金属日誌)というブログサイトで、「米軍もJet-Aを使うってさ」と題した記事が書かれていた。 米空軍が民間燃料を使うというニュースがある。これとこれなのだがね。高い軍用統合燃料JP-8から、民生用のJet-Aに切り替えてみましたという話。 JP-8もJet-Aも、基的には、同じ燃料なので何も起きない。普通にエンジンは回るし、普通に飛ぶ。凍結防止剤ともう一つを添加したとあるが、これも特に必要なものではない。民間機はJet-Aのままで高空で飛んでいるし、ICAOも問題にしていない。 これについては大略間違っていないが、少し理解不足があるような気もするので、以下に補足してみる。 まず、JP-8とJet A-1は、そもそも燃料としては全く同じだ。民間規格ではJet A-1だし、軍用規格では多少の添加剤を加えてJP-8としているにすぎない。では、なぜJP-8とJet A-1は価格

    ジェット燃料JP-8をJET A-1に切り替えるとは?
  • H-53シリーズヘリコプターの放射性物質について(改題)

    ※オスプレイの話ではありません。 紛らわしいので改題しました。 沖縄タイムスの記事によると、キャンプ・ハンセンで墜落した米空軍のHH-60ヘリコプターには、「飛行中の回転翼のひび割れを調べるセンサー」用に(放射性物質の)ストロンチウム90が使われていたのではないかという。 (追記:沖縄タイムスは続報を出しており、米軍によるとHH-60にはストロンチウム90は使われていないそうです。) 「飛行中の回転翼のひび割れを調べるセンサー」というのは、シコルスキー社のIn-Flight Blade Inspection System (IBIS)というものだ。H-53シリーズだけでなく、H-3/S-61シリーズのヘリコプターにも、少なくとも一部で採用されていた。これは普通に知られているもので、秘密でもなんでもないから、Googleで検索すれば親切な説明資料も出てくる。 これを装備するヘリコプターのブレ

    H-53シリーズヘリコプターの放射性物質について(改題)
  • オスプレイの安全性議論に思うこと

    普天間に配備予定の米海兵隊機「オスプレイ」について、その安全性が問われています。 世論に興味が湧いたのでwebで調べてみると、新聞から個人サイトまで、飛行時間あたりの事故件数(Class A Mishapの件数)を挙げて、従来機よりも危険だとか安全だとか論じている論説が目につきました。この論法は、比較的容易に収集できる資料から、誰にでもわかりやすい数字を組み立てられるので、そういうことになるのだと思います。 どちらの立場にとっても、こうしてできた数字は、相手を説得する道具に使いやすくて便利ですが、技術的に安全性を議論する材料にはなりません。早い話、「今まで墜落してないから、この飛行機は安全です」のような説明では、航空局の型式承認や軍の制式承認さえ降りないわけです。当たり前ですが。 一般論として、航空機のシステム信頼性を技術的に検討するにあたっては、FTAやFMECAという手法で、起こり得る

    オスプレイの安全性議論に思うこと
  • 自衛隊の中古機を輸出できない理由

    YOMIURI ONLINEの報道によると、陸上自衛隊で用途廃止になったOH-6Dヘリコプターの部品が、スクラップ業者によって海外へ売却され、問題になったという。 陸上自衛隊は23日、廃棄処分にした観測ヘリ「OH6D」の部品が、海外に不適切に売却されていた、と発表した。 スクラップにすることを条件に陸自から購入した業者が、しないまま勝手に転売していたという。陸自は「売却前に武装を外しており、武器の不正輸出にはあたらない」とする一方、今後は解体の状況を十分に確認するなどの再発防止策を取るとしている。 これを受けて、一部の「軍事評論家」などが、「武器に該当しないので問題ない。むしろ払い下げ機材を輸出する道を拓くべき。」なんてことを言っている。 これは尤もらしいけれど、実はそう簡単な話ではない。 まず、陸上自衛隊のOH-6Dは、民間型式で言うと川崎ヒューズ369Dに該当する。 川崎重工業で生産し

    自衛隊の中古機を輸出できない理由
  • MH-60S墜落事故とテイルローター喪失について考えてみた

    米軍のH-60ヘリコプターが不時着失敗、大破したというニュースがあった。 乗員が負傷したものの民間に被害はなく、最悪の事態は免れている。 初期の報道では、乗員がトランスミッションの異常を訴えていたというので、潤滑オイルの喪失が原因ではないかと推測している有識者もあるようだ。 しかし、機を含む近年の軍用ヘリは、オイルを喪失しても、相当の時間は正常に飛行が可能だ。 調べてみると、H-60の初期型で30分、機を含む最新型では45分以上のドライ・ラン性能を備えているらしい。 (我が国のOH-1も30分のドライ・ランが実証されていると聞いた記憶がある) オイル喪失の可能性は僕も否定しないのだが、それだけで即座に深刻な事態に陥るとは考えにくく、致命的な要因は他にあったのではないかと思う。 不時着現場は三浦半島の先端にある埋立地で、少なくとも乗員には着陸場所を選ぶ余裕があったことがわかる。 しかし、

    MH-60S墜落事故とテイルローター喪失について考えてみた
  • 1