奈良・興福寺の僧房、創建時の礎石が出土 巨大伽藍維持に執念の跡 - MSN産経west興福寺（奈良市）境内の僧坊「西室」跡で、奈良時代（８世紀）の創建当時から動かされた形跡のない礎石（そせき）が出土し、奈良文化財研究所が２６日、発表した。西室は創建以来８回焼失したが、再建のたびに創建当時の位置と規模を踏襲していたことが判明した。 西室は寺の中心建物の講堂をコの字に囲み、約４００人の僧侶が住んでいたとされる三面僧坊のひとつ。「興福寺流記」などの文献によると、西室は平安時代から８回焼失し、江戸時代の火災後は再建されなかった。 奈良文化財研究所の発掘調査で、創建当時から動かされた形跡のない直径１メートル大の礎石８個が出土。西室の規模も東西１１・８メートル、南北６２・７メートルと判明した。 鈴木嘉吉・元奈良文化財研究所長は「僧坊のような付属の建物を火災のたびに同じ規模で再建し続けるのは珍しく、興福寺がいかに伽藍（がらん）の維持に執念を燃やしていたかがうかがえる」と話している。 現地
