江戸時代末期に建てられ、灘五郷で唯一残る木造酒蔵=神戸市東灘区の泉勇之介商店で2013年6月22日、山崎一輝撮影 日本酒最大の生産地、灘五郷(兵庫県西宮市〜神戸市灘区)唯一の木造酒蔵が消滅の危機に陥っている。神戸市東灘区の泉勇之介商店の酒蔵で、国の登録有形文化財。借入金がかさんで競売にかけられ、不動産会社が落札した。住宅開発の可能性があり、近隣の自治会などが7月1日から、神戸市に購入を求める署名活動を行う。 【内部は太い梁や柱が蔵を支えている】 ◇阪神大震災唯一の生き残り 同商店は江戸時代末期に建てられた酒蔵を購入して、1882(明治15)年に創業。3代目の泉勇之介社長が杜氏(とうじ)を兼ねる。民間信用調査機関、帝国データバンク大阪支社によると、純米大吟醸酒などで左党の人気を集めたものの、近年は生産量が落ち、酒蔵兼本社約1600平方メートルが競売にかけられた。 1995年の阪神大震災