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blog.livedoor.jp/vip9
2006年01月23日 スネオの夏 1 蝉の泣き声が春の終わりを雄弁に語り、夏の始まりを告げる。 全身にまとわりつくような暑さに、体中から汗が吹き出す。 不思議と、不快感はない。 今年もまた、夏がやってきた。 あと何年生きるかは分からないけど、僕はこの夏を、生涯忘れない。 話は少し前に溯る。 6月、梅雨前線はしぶとく列島に停滞し、連日の雨を僕らに運んだ。 グラウンドは雨で使い物にならず、だからジャイアンは昼休みの度に地団太を踏んだ。 そう、丁度このころからである。 スネオが学校に来なくなったのは。 初めて彼が休んだ日は、取り立てて何の感慨も抱かなかった。 長い一年の中で、一日くらい休む日もあるだろう、つまりはそのくらいの感覚だった。 しかし、彼の休む日は2日、3日…と伸びていった。体調不良にしては、ばかに長引いていた。 そして、スネオが学校に顔を見せなくなって、遂に一週間が経過した頃。 こ
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