ヤバイぞ、この「中間報告」～『アフリカ・レポート』 松本仁一著（評：後藤次美）【奨】 (2ページ目)：日経ビジネスオンライン

確かに前半部分の強烈なインパクトに比べると、後半部分は松本氏の「どうにか希望を見いだしたい」感がある。しかし彼が言いたいのは本の最後の部分にある「福田政権時代に日本はアフリカ向けのＯＤＡを倍増した、しかしこのお金はＮＧＯ、アフリカ国民には行き届かない。旧態依然としてＯＤＡでいいのか？」という問いかけであり、そこで成功しているＮＧＯ、民間企業の例を引いていると思われる。それを彼の前職やこの本の出版社から「朝日臭、岩波臭」というレッテルを貼るのは安易である。読み通したが評者の言うとおり素晴らしい本で、是非色々な方に読んで頂きたい。(2008/09/30)

[dokumenta]

アフリカの貧困は、国家よりも部族共同体優先の社会と、それを生んだ、欧米列強による無理な国境線策定に原因があった。